過去ログ - 魔法使い「勇者がどうして『雷』を使えるか、知ってる?」
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74: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/05/25(土) 02:27:15.58 ID:QKtUJVFRo
魔法使い「……誰も、傷つけたくなかったからよ」

王女「傷つけたく……なかった?」

魔法使い「あいつは、言ったの。……救った世界の人々に、剣を向けたくない、ってさ」

王女「どうして、そんな……!」

魔法使い「たぶん、さ。……あんた、あいつと……一緒に、なるはずだったんでしょ?」

言うと、王女の喉が引きつって――――生唾を呑んだ。
それを見て、魔法使いは構わず言葉を続ける。
自分がどんな表情をしているのか、分からないまま。

魔法使い「あいつに勝てる『人類』なんていないわよ。一緒に旅したあたしが言うんだから間違いない。
      …………だから、みんな欲しがるのよ。人類のための『勇者』じゃなく、国のための『英雄』としてね」

残酷な事を告げてしまっていると、分かっている。
だが、それも承知の上で続ける。
言葉に、できるだけ感情が乗らないように……淡々と。

魔法使い「あんたと一緒になれば、『勇者』はこの国のモノになる。……あとは、言わなくても分かるよね」

返事は、無い。
顔を上げて、王女の顔を見るのがつらかった。
『勇者』と『王女』、そのどちらも道具にしようと、『父親』がそう考えていたのを、告げてしまったから。


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