過去ログ - 魔法使い「勇者がどうして『雷』を使えるか、知ってる?」
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76: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/05/25(土) 02:28:23.01 ID:QKtUJVFRo
王女「……魔法使い、様」

魔法使い「何かしら?」

王女「人は……争いを止められる時が、来るのでしょうか」

魔法使い「…………時間、かかるわよ。親子でさえケンカするんだしさ」

王女「いえ。これからかかるのではありません」

彼女の声は、窄まった声帯がそうさせて、頼りなく震えていた。
だが、涙に揺れる瞳は、違う。
海の底にまで揺らぎながらとどく月明かりのように――――確かに、爛と輝いていた。

王女「これまで、愚かなほどにかけてきた時間を。……今、報わせる時が来たのです」

魔法使い「何か、企んでるの?」

王女「…………私の我が儘を、訊いていただけますか?」

魔法使い「……いいわよ、何でも言ってみなさいな」

グラスを掲げて、片目をつぶって微笑んでみせる。
磨き抜かれた空っぽのグラスに反射したのは、月か、燭光か、それとも、王女の瞳の輝きか。
その答えを確かめようと――――グラスに、とがらせた唇を乗せた。


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