過去ログ - 魔法使い「勇者がどうして『雷』を使えるか、知ってる?」
1- 20
98: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/05/26(日) 02:44:48.42 ID:UMPAG6Zoo
雨は、全てを洗い流す。
積み上げられた憎しみの塔を。
怒りに任せて描いた、地獄の絵を。
そして全てを洗い清めれば、空には、混ざらなくとも寄り添い合う、七色の架け橋がかけられる。

魔法使いが見上げた空には、少しだけ、名残惜しそうな雲がかかっていた。
風が、決戦地に芽吹いた花畑を吹き抜け、可憐に白い花びらを舞い上げて空へと運んだ。
暗雲が垂れ込めた世界の、その中心だった空へ。
彼女は思わず微笑み、今度は、すっきりと透き通った眼で、『約束』を見た。

魔法使い「空、見えたよ。…………ねぇ」

昼下がりの空、魔王城の跡地の上には、雨がくれた橋がある。
『魔王と勇者の物語』のおしまいのページには、赤と、青と、白、そして七色。

魔法使い「――――――ありがと」



暗黒を払い、世界に色と光を取り戻す者。

――――――世界はそれを、『勇者』と呼んだ。










<<前のレス[*]次のレス[#]>>
228Res/202.93 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice