過去ログ - モバP「大好きだから、――くれ」
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12: ◆IRWVB8Juyg[saga]
2013/05/23(木) 20:34:36.94 ID:hGaI4iceo
 それから数日、幸子とはまともな会話ができなかった。
 幸子が怒っていたというよりも、俺が怖くなってしまっただけだ。

 仕事の確認、送り迎え。幸子はきちんと仕事をこなして、スタッフにも褒められる。
 そこで俺は「よかったよ」の一言も言えずに、運転手として待っている。

「……つまらないです」

 ぽつりと、帰りの車の後部座席で幸子が言う。

「あなたはボクのおもちゃなんだから、ちゃんとボクを見てくれなきゃダメなんですよ?」

 収録で譲ってもらった小さなクマのぬいぐるみに向かって話を続ける。
 バックミラー越しに目が合うが、すぐにまた視線をぬいぐるみへと戻した。

「謝るなら許してあげなくもありませんけど」

 幸子は、とてもとても小さな声でそう言った。


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