過去ログ - ハンジ「あなたの言葉を胸に、私は生きていく」
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2013/05/23(木) 23:07:13.80 ID:foaYr8tyo
4mを越える巨体を、窮屈なほどに丸められてロープで固定されている。
細い目の中で、せわしなく眼球が動いているのが見えた。
口からは声ともつかぬ音が垂れ流されている。
以下略
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2013/05/23(木) 23:07:40.92 ID:foaYr8tyo
彼から目を離せなかった。
見つめるほどに鼓動が激しくなっていく。
呼気が乱れていく。
以下略
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2013/05/23(木) 23:08:10.46 ID:foaYr8tyo
無意識のうちに一歩近づく。
それでこちらに気付いたのか、彼のせわしなく動いていた眼球は私に固定された。
――私を見つめている。
以下略
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2013/05/23(木) 23:08:39.74 ID:foaYr8tyo
彼の眼前まで進んで、少し膝を屈める。
本来であれば見上げるような巨体の彼も、ロープで固定されているために、少し屈んでもまだ私の目線のほうが高いくらいとなっている。
彼は音を出すのをやめて、じっとこちらを見ている。
以下略
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2013/05/23(木) 23:09:07.65 ID:foaYr8tyo
彼は開いた口から何か音を出したかと思うと、またゆっくりと口を閉じていく。
代わりに、だらしなく垂れていた手を軽く握って持ち上げ、人差し指だけをぴんと伸ばしてきた。
私が伸ばした指と、彼が伸ばした指。
以下略
9
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2013/05/23(木) 23:09:35.22 ID:foaYr8tyo
それからのことは薄っすらとしか覚えていない。
私は泣いていたと思う。
私の罪は赦されなかった。
以下略
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2013/05/23(木) 23:10:03.19 ID:foaYr8tyo
私と彼の交流は、続いていった。
とは言っても何かができたわけではない。
彼は変わらず調査対象のまま、ロープで固定されていたのだから。
11
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2013/05/23(木) 23:10:32.76 ID:foaYr8tyo
彼との交流は、昨今の少年少女ですら一笑に付すほどのものだった。
周囲に誰もいないことを確認して彼に近づくと、指を伸ばす。
彼もそれに答えるかのように指を伸ばしてきて、それらが触れ合う。
以下略
12
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2013/05/23(木) 23:10:58.27 ID:foaYr8tyo
いや、正確に言えばもう一つあった。
私は指を触れ合わせる時に、ほのかに笑みを浮かべている。
対して彼は初めのうちはまったくの無表情であった。
以下略
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2013/05/23(木) 23:11:19.30 ID:ZaDPj9WYo
良ssの予感
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2013/05/23(木) 23:11:25.72 ID:foaYr8tyo
夏。
蝉時雨の中。
私と彼は指を触れ合わせた。
以下略
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