過去ログ - ハンジ「あなたの言葉を胸に、私は生きていく」
1- 20
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/23(木) 23:08:10.46 ID:foaYr8tyo
無意識のうちに一歩近づく。

それでこちらに気付いたのか、彼のせわしなく動いていた眼球は私に固定された。

――私を見つめている。
以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/23(木) 23:08:39.74 ID:foaYr8tyo
彼の眼前まで進んで、少し膝を屈める。

本来であれば見上げるような巨体の彼も、ロープで固定されているために、少し屈んでもまだ私の目線のほうが高いくらいとなっている。

彼は音を出すのをやめて、じっとこちらを見ている。
以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/23(木) 23:09:07.65 ID:foaYr8tyo
彼は開いた口から何か音を出したかと思うと、またゆっくりと口を閉じていく。

代わりに、だらしなく垂れていた手を軽く握って持ち上げ、人差し指だけをぴんと伸ばしてきた。

私が伸ばした指と、彼が伸ばした指。
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/23(木) 23:09:35.22 ID:foaYr8tyo
それからのことは薄っすらとしか覚えていない。

私は泣いていたと思う。

私の罪は赦されなかった。
以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/23(木) 23:10:03.19 ID:foaYr8tyo
私と彼の交流は、続いていった。

とは言っても何かができたわけではない。

彼は変わらず調査対象のまま、ロープで固定されていたのだから。


11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/23(木) 23:10:32.76 ID:foaYr8tyo
彼との交流は、昨今の少年少女ですら一笑に付すほどのものだった。

周囲に誰もいないことを確認して彼に近づくと、指を伸ばす。

彼もそれに答えるかのように指を伸ばしてきて、それらが触れ合う。
以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/23(木) 23:10:58.27 ID:foaYr8tyo
いや、正確に言えばもう一つあった。

私は指を触れ合わせる時に、ほのかに笑みを浮かべている。

対して彼は初めのうちはまったくの無表情であった。
以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/23(木) 23:11:19.30 ID:ZaDPj9WYo
良ssの予感


14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/23(木) 23:11:25.72 ID:foaYr8tyo
夏。

蝉時雨の中。

私と彼は指を触れ合わせた。
以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/23(木) 23:11:53.20 ID:foaYr8tyo
秋。

木葉時雨の中。

私と彼は指を触れ合わせた。
以下略



39Res/11.72 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice