過去ログ - 恵美「もしも魔王の正体に気づかなかったら」
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12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/24(金) 17:12:27.69 ID:raX+wY0oo
真奥「……っと、着いたな」

気づけば笹塚駅に着いていた。
幡ヶ谷から笹塚は徒歩で10分かそこらで着く距離だが、
彼と歩く楽しさは更にその時間を短縮させていた。

真奥「ここでお別れだな。今日は色々悪かった」

恵美「ううん、私こそ。それでね、あの――」

真奥「ん?」

恵美「良かったらだけど、携帯の番号交換しない?」

声は震えてなかっただろうか。顔は引きつっていなかっただろうか。
今日一番の勇気を出して言ったそのセリフに貞夫は、

真奥「ああ、いいよ」

なんでもないことのように応じた。

***

手を振り貞夫と別れ、駅に入り電車に乗る。
電車が永福町に着き、外に出て周りに人気がないのを確認し――

恵美「…………っはあ〜!」

うずくまって大きく息をついた。

顔が熱くなっているのが分かる。
目を閉じれば彼の顔が浮かぶ。

もう認めるしかなかった。
世界を救うべき勇者としてあるまじきことではあるが……
私はただの一人の女として、恋に落ちたのだ。

ふと、気づく。
左手に持ったままのビニール傘。

恵美「……あああっ! 返し忘れた!?」

どれだけ浮かれていたのかと、自分で自分が恥ずかしい。


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