過去ログ - 恵美「もしも魔王の正体に気づかなかったら」
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26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/24(金) 17:19:08.46 ID:raX+wY0oo
芦屋「真奥は、人と恋愛をしたことがありません」

芦屋「いえ、恋愛以前の話ですね。つい数カ月前まで、彼にとって人は交流するに値しない存在だった」

……どういった意味の話なんだろうか?
少なくとも、言葉をまっすぐ捉えれば、信じ難い話だ。
私の見てきた貞夫は、バイト仲間とも上手くやっており、
会って間もない私の身の心配をするほどのお人好しだ。

芦屋「事情があってフリーターとなり、この街で生活するようになってから真奥は変わりました」

芦屋「その変化は私にとって時に理解し難く、時に微笑ましいものでした」

芦屋「あんな風に、ただの少女の悩みに親身になる真奥が良いのか悪いのか」

芦屋「まだ私にもよく分かりませんが、真奥自身はその変化を好ましく思っているようです」

恵美「……」

恵美「……つまり、何が言いたいんですか?」

そこで芦屋さんは、初めて笑みを見せた。

芦屋「まあ、私としては賛成も反対もしづらいのですが」

芦屋「真奥を好きな人が増えるのは、真奥にとってより良い変化をもたらすかもしれないな、ということです」

芦屋「あの少女にとっては災難かもしれませんが」

恵美「――っ!」

顔が紅潮する。
この人の立ち位置はよく分からない。貞夫の過去とやらも知らない。
けど、私の気持ちは知られていて――
どうやら応援まで行かずとも、見過ごすくらいはしてくれるらしい。
まるで本当に彼の母親のようではないかと、少し笑えた。

……考えてばかりいても仕方がないか。

恵美「……喉が渇いたので、失礼しますね。また今度」

芦屋「そうですか、それではごゆっくり。私はまた散歩にでも興じています」

そう嘯いてその場から動く気も見せない芦屋さんに背を向け、私はカフェの入り口に向かった。


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