過去ログ - 恵美「もしも魔王の正体に気づかなかったら」
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33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/24(金) 17:22:19.83 ID:raX+wY0oo
真奥「……まあ、なんだ。秘密にしといてくれると助かる」

私とのコミュニケーションを諦めた貞夫が、そう締めくくる。
すでに彼の身体は人間のそれに戻っており、全てが夢だったと思いたくなる。

真奥「ん、お前呼ばれてるぞ、恵美」

言われて彼が指さした方向を力なく振り向くと、野次馬の中から梨香が私の名を読んでいた。

真奥「あれ、お前の同僚か何かか? ほら、行ってやれよ」

正体を知られても態度が変わらない貞夫の心境が分からない。
分からないが、今ここで何をすることもできない。
梨香の方へ歩き出しながら、絞りだすように声を出す。

恵美「……貞夫」

真奥「ん?」

恵美「……今度、話、聞かせてもらっていい……?」

真奥「……ああ」

それだけを精一杯の力で言って、その場を去った。
梨香は泣きながら私を抱きしめてくれた。
怪我自体は額を少し打っただけで大したことはないのだが、
おそらく相当酷い表情をしているのだろう、事故でショックを受けたと思っているらしい。
そしてそれは正解でもあった。


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