108:1[saga]
2013/05/27(月) 01:05:53.81 ID:dQQe70w/0
アニ「ああ、そうだ。ここでくたばってる暇はない」
彼女もまた立ち上がる。ガスの補給は十二分。
ライナー「……本部に戻ってから、あの穴を塞ぐ考えを立てなきゃならない」
ベルトルト「巨人の数も減ってきている。いけるよ」
戦士たちが、震える膝を叩いて立ち上がり始めた。
這い上がるようでも、何かに縋るようであっても、それは確かな再起。
コニー「……エレンに導かれてここに来たんだ……あいつがいなけりゃ、みんな屋外で野たれ死んでた」
サシャ「まだ私は死にたくないです、怖いし、それに……ここまで引っ張ってくれた、エレンの為にも」
クリスタ「…………」
ユミル「ほら、ガス」
クリスタ「でも、私のせいで」
ユミル「あんたが死ぬのが、一番、あいつが報われない」
真正面から覗き込んでくるユミルの瞳には、涙がたまっていた。
クリスタは俯いたまま、補充されたガスの調子を確かめる。使えるワイヤーは一本なので戦闘にはあまり参加できない。
それでも、彼は自分に生きていてほしいと願った。
それでも、彼は自分を生かすために戦った。
クリスタ「……もう諦めない、か」
諦めかけていたのはどっちだったか。
ゆっくりとクリスタは、柄を握る手に力をこめた。
ジャン「ここで死んだら本物の腰抜けだ、夕食抜きのランニングだ! 一気に駆け抜けろ!」
104期生『おお、おおおおおおおおおおおおおおお!!』
放てば戻らぬ弓矢が、一斉に放たれる。
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