89:1[saga]
2013/05/27(月) 00:15:59.85 ID:dQQe70w/0
サシャがそう言ったちょうどその時、外から声がかけられた。
104期生「一人また来たぞ!」
扉を開けて入ってきたのは、俯き金髪で顔を隠した小柄な少女。
ユミル「クリスタ!!!」
すぐにユミルが抱きつき、涙を流しながら彼女は大切な少女の生存を喜んだ。
だが、本人は身じろぎもしない。何か体を動かす歯車が欠落してしまったかのように、ぼそぼそと喋っていた。
抱えている布にくるまれた何かを必死に握り締めながら。
ジャン「……おい、ガス補給は?」
クリスタ「……は……い、……ました」
コニー「はぁ?」
顔が上がる。
泣きはらした赤い目。
アニ「あんた、それ、まさか」
誰もが耳をふさごうとした。
クリスタ「訓練兵34班……フランツ、ハンナ、エレン・イェーガー」
絶望が、ついに足音を殺すこともなく迫る。
クリスタ「以上三名は自分の使命を全うし、壮絶な戦死を遂げました!!」
部屋の空気が、凝結した。
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