8:1[saga]
2013/05/25(土) 19:06:49.16 ID:45e9PxhV0
そして、時は移り宇宙世紀96年
「どうだ?」
白髪の老人、カズアキは100年余りの冷凍睡眠から目覚める、問う。
「予定通りに行います」
カズアキの横に立つ男、ハルユキ・ビストは答える
「しかし、箱の譲渡はこれまで以上の混乱を招くことになるかもしれません」
箱、宇宙世紀最大のコンズロマリット企業と謳われるアナハイム・エレクトロニクス社をも傘下に収めるビスト財団。その当主となったカズアキ。
そんな彼の成功を支えていたのが、あの『ra+の箱』である事を知る者は一握りしかいなかった。
「あれから直に100年が経つ、このままでは地球圏は逼塞する」
『ra+の箱』は連邦政府に無限の譲歩を引き出し、財団の利権を保証するに値するほど貴重なものになっていた。
「宇宙世紀の歪みを正してくれる者達の胎動は既に始まっている」
とだが、カズアキは財団二代目当主で孫でもあるハルユキ・ビストと共に箱を世に解放する事を決意していた
「『ra+の箱』を託すに足りる者がここにある事を願う」
「はい」
男、ハルユキは気付いていた。
その行為は一つの時代の終焉を招くかもしれないことに
だが、彼はそれを止めようとはしなかった。
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