過去ログ - 「俺、眼鏡って似合わないんだよなー」
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7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/25(土) 23:16:53.36 ID:PtVx1/VJO
手袋の中で凍った指先は、もう何も感じない。

私達が恋人同士なら、こんなものは邪魔だと言って互いの手を握り、温め合うのだろうけど。


そんな幸せな妄想を無理やり描きながら、マフラーの中で生暖かい息を吐き続け、


「さっきの、本当なの?」


届かないかもしれないと分かりながら、くぐもった声でそう問い掛けた。


「見落とすものもあるって?」

「……分かってるくせに」


込み上げてくる感情が溢れ出さないように、足元に視線を落として唇を噛み締める。

おどけた彼の声は、懐かしい痛みで私の胸を締め付けた。


いつだってそうだ。

親の勝手な事情で離れ離れになった、あの日だってそうだった。

きっと彼は、私がどうしたら悲しむのかを知っているんだ。


「本当だよ」


そうじゃなければ、こうやって傍に駆け寄り、耳元で優しく囁いたりしない。


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