過去ログ - 鷺沢文香エッセイ集『本とアイドルと私』
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103:CG出版編集部 ◆rSMipP4xr.[saga]
2013/06/05(水) 18:52:41.45 ID:im91ow/t0
5,F月K日「オレンジ・フラッシュ・バック」

 どんな本も、読んでくれる人を待っています。いつまでも大切にしてくれるパトロンを。


以下略



104:CG出版編集部 ◆rSMipP4xr.[saga]
2013/06/05(水) 18:56:00.42 ID:im91ow/t0
「お掃除しますっ」

 エプロン姿で部屋に入ってきた響子ちゃんは、開口一番そう宣告しました。

 午前10時。外は晴天、目が覚めるような青が空いっぱいに広がっています。
以下略



105:CG出版編集部 ◆rSMipP4xr.[saga]
2013/06/05(水) 18:59:17.46 ID:im91ow/t0
 ここ数日、出版協会や古書組合などの仕事で忙しく、ゆっくり本を読んでる余裕すらありませんでした。

 辛うじてショートショートを読み繋ぎ、そしてようやく今日、一日読書に充てられる時間を得られた...のですが。


以下略



106:CG出版編集部 ◆rSMipP4xr.[saga]
2013/06/05(水) 19:02:06.51 ID:im91ow/t0
 ...この様なやり取りは今に始まったことではありません。

 響子ちゃんは、普段余りにも外に出ない私を気にして、こうしてたまに天日に投げ出すのです。


以下略



107:CG出版編集部 ◆rSMipP4xr.[saga]
2013/06/05(水) 19:06:55.11 ID:im91ow/t0
 しかし久々にゆっくり本を読めるこの機会、無下にする訳にもいきません。


 どこか落ち着いて読める場所は...!?

以下略



108:CG出版編集部 ◆rSMipP4xr.[saga]
2013/06/05(水) 19:10:06.75 ID:im91ow/t0
「さあさあ!。たまにはお日様にでも当たってきて下さいっ」

と、私の背中を押す響子ちゃん。

「全くもうっ。友紀さんも文香さんもすぐに散らかしちゃうんですからっ!」
以下略



109:CG出版編集部 ◆rSMipP4xr.[saga]
2013/06/05(水) 19:13:03.43 ID:im91ow/t0
 私は観念して、出掛ける準備を始めました。

 最近はのあさんに感化されてか、SFを読み漁っていました。

 しかし、こんな気持ちの良い陽光の下で読むなら別のものが良いでしょう。
以下略



110: CG出版編集部 ◆rSMipP4xr.[saga]
2013/06/05(水) 19:16:41.89 ID:im91ow/t0
 あれこれ考えていると、ふと卓上に積まれてたオレンジとブルーの表紙の本が二冊、視界の隅に飛び込んできます。

 ...これだ。

 そう直感し、それらとヘミングウェイなど数冊を掴んで鞄へ詰め込みました。
以下略



111:CG出版編集部 ◆rSMipP4xr.[saga]
2013/06/05(水) 19:19:02.71 ID:im91ow/t0

 寮から歩いて15分程の所に、大きな運動公園があります。

 ここの広場には一面芝生が敷き詰められ、四方に目をやると、大小様々な樹木の壁。

以下略



112:CG出版編集部 ◆rSMipP4xr.[saga]
2013/06/05(水) 19:21:57.43 ID:im91ow/t0
 部屋でピンと来た二冊は、共にユーモアミステリ作家のカール・ハイアセンの著作。

 私はオレンジ色の表紙『フラッシュ』を手に取り、ページを捲り始めました。


以下略



113:CG出版編集部 ◆rSMipP4xr.[saga]
2013/06/05(水) 19:24:27.68 ID:im91ow/t0

 ...どれ位の時間が過ぎたのでしょうか。

 残り50ページにも満たないあたりでふと足元にコツン、と何かが当たる感触。

以下略



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