過去ログ - 鷺沢文香エッセイ集『本とアイドルと私』
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CG出版編集部
◆rSMipP4xr.
[saga]
2013/06/05(水) 19:21:57.43 ID:im91ow/t0
部屋でピンと来た二冊は、共にユーモアミステリ作家のカール・ハイアセンの著作。
私はオレンジ色の表紙『フラッシュ』を手に取り、ページを捲り始めました。
以下略
113
:
CG出版編集部
◆rSMipP4xr.
[saga]
2013/06/05(水) 19:24:27.68 ID:im91ow/t0
...どれ位の時間が過ぎたのでしょうか。
残り50ページにも満たないあたりでふと足元にコツン、と何かが当たる感触。
以下略
114
:
CG出版編集部
◆rSMipP4xr.
[saga]
2013/06/05(水) 19:26:14.33 ID:im91ow/t0
「あー、わりぃわりぃ」
とこちらに向かってきたのは、勿論死んだはずのボビーじいちゃんでなく...晴ちゃんでした。
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115
:
CG出版編集部
◆rSMipP4xr.
[saga]
2013/06/05(水) 19:29:01.54 ID:im91ow/t0
「ってあれ、文香さんじゃん。何してんの?」
そう聞く晴ちゃんに答えると、ふいに私の手元の本に目をやり、
「ふぅん。ちょっと見せてよ、それ」
以下略
116
:
CG出版編集部
◆rSMipP4xr.
[saga]
2013/06/05(水) 19:30:45.77 ID:im91ow/t0
彼女は本を手渡されて表紙を見ると、
「色はカッコいいけど...この魚はなんかマヌケだな」
と辛辣な一言。
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117
:
CG出版編集部
◆rSMipP4xr.
[saga]
2013/06/05(水) 19:33:52.22 ID:im91ow/t0
しかし、物語の冒頭に目を通し始めた途端...
「あっはははっ、何コレ!?。しょっぱなからオヤジ捕まってんじゃん!!。おっかしー!!」
と、どうやらお気に召したようです。
以下略
118
:
CG出版編集部
◆rSMipP4xr.
[saga]
2013/06/05(水) 19:39:19.15 ID:im91ow/t0
程無く晴ちゃんは私の隣に座り込み、物語にのめり込み始めました。
あの晴ちゃんが本に熱中している。
以下略
119
:
CG出版編集部
◆rSMipP4xr.
[saga]
2013/06/05(水) 19:43:17.85 ID:im91ow/t0
夕暮れ時、二人帰路に着きました。黄昏の中、晴ちゃんは遠くを見つめながら、
「ノアはさー、あんな破天荒なオヤジの事をどうして好きでいつづけられるんだろうなぁ」
以下略
120
:
CG出版編集部
◆rSMipP4xr.
[saga]
2013/06/05(水) 19:46:07.14 ID:im91ow/t0
「こう夕焼けを見てるとさ、オヤジや兄貴達とサッカーしてた事を思い出してさ...」
西に消えつつある太陽を見ながら同時に、あくる日の情景をそこに映し出していたようです。
以下略
121
:
CG出版編集部
◆rSMipP4xr.
[saga]
2013/06/05(水) 19:48:38.35 ID:im91ow/t0
...私には答えられませんでした。
でも、その答えをカール・ハイアセンは示しているはず。
以下略
122
:
CG出版編集部
◆rSMipP4xr.
[saga]
2013/06/05(水) 19:50:52.30 ID:im91ow/t0
今日響子ちゃんに追い出された事、積まれていた本が訴えてきて、巡り巡って晴ちゃんの元に辿り着いた事。
偶然か必然かは分かりませんが、まるで磁石のように惹きつけられた一人と一冊。
以下略
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