過去ログ - 鷺沢文香エッセイ集『本とアイドルと私』
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59:CG出版編集部 ◆rSMipP4xr.[saga]
2013/05/31(金) 02:33:49.58 ID:cNb3OgnT0
 そうして、空っぽになる私。

 舌を弄っても、熱を感じない。身悶えしても、哀しくなるだけ...。


以下略



60:CG出版編集部 ◆rSMipP4xr.[saga]
2013/05/31(金) 02:37:22.38 ID:cNb3OgnT0


 ...はっ、と我に帰りました。

 辺りを見回して、変わりがないか確かめます。
以下略



61:CG出版編集部 ◆rSMipP4xr.[saga]
2013/05/31(金) 02:40:10.01 ID:cNb3OgnT0
 驚いてそちらを見ると、カフェオレ色の猫が一匹、部屋を覗いています。

 ...ジャヴァ?

 クレアの愛猫が目の前にいるようで、思わず口ずさんでいました。
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62:CG出版編集部 ◆rSMipP4xr.[saga]
2013/05/31(金) 02:43:25.26 ID:cNb3OgnT0
 私が気付いたことを察知したのか、その子は私の目を見て、

「ミャオ」

と一声鳴き、欄干の向こうへと消えて行きました。
以下略



63:CG出版編集部 ◆rSMipP4xr.[saga]
2013/05/31(金) 02:46:43.52 ID:cNb3OgnT0
 あの猫は何をしに来たのか?。そもそも2階にあるベランダにどうやって入ったのか?。

 その時の私に、そんな事を考える余裕はありませんでした。

 ただ、見つめ合ったあの瞳が、私の中の何かを突き動かします。
以下略



64:CG出版編集部 ◆rSMipP4xr.[saga]
2013/05/31(金) 02:50:20.18 ID:cNb3OgnT0
 手製の栞(偶然にもカフェオレ色!)を読みかけのページに挟み込み、急ぎ早に寝室の奥にある棚へ。

 途中足を突っ変えて本の山を一つ崩しましたが、そんなことに構っている余裕はありません。

 響子ちゃんの可愛らしい文字で『料理の本』とメモが添えられた棚の前で、『コーヒー』の言葉が書かれている本を片っ端から読み漁りました。
以下略



65:CG出版編集部 ◆rSMipP4xr.[saga]
2013/05/31(金) 02:53:23.28 ID:cNb3OgnT0
 そして1時間後、私は寮近くにある商店街の入り口に立っていました。

 片手にはメモ用紙。中にはコーヒーを入れるための道具の一覧が並んでいます。

 まずはこの道具を買えるお店を探さないといけません。
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66:CG出版編集部 ◆rSMipP4xr.[saga]
2013/05/31(金) 02:56:07.37 ID:cNb3OgnT0

 覚悟を決めて踏み出そうとした途端、

「やぁ、文香君じゃないか」

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67:CG出版編集部 ◆rSMipP4xr.[saga]
2013/05/31(金) 02:58:32.13 ID:cNb3OgnT0
 いつも颯爽たる風姿で、人々を魅了する事務所の先輩。

 私服であろう白いシャツに、黒のスラックスを合わせたパンツルックが彼女の凛々しさを一層引き立てています。




68:CG出版編集部 ◆rSMipP4xr.[saga]
2013/05/31(金) 03:02:56.31 ID:cNb3OgnT0
「ここで会うなんて珍しいね。買い物かな?」

 茶色の紙袋片手に尋ねて来ました。


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