過去ログ - 洋榎「次鋒戦と副将戦が無くなるんやて」
1- 20
826:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/29(火) 22:46:53.93 ID:FvhmitzQo
より正当性が認められれば、その分だけ『真実の羽』は自らの質量を増す


真実の羽……。

それが、あの美しき色彩を纏う羽の正式名称らしい。
両者の髪から精気を吸い上げる様に、光の粒子がその羽に集束してゆく。


洋榎(つまりは、重い方≠ェ神に正しいと認められたゆう事になるんやな……)


揺れる天秤を誰よりも真剣な眼差しで見詰める洋榎。


洋榎「…………っ」


洋榎(憂慮する必要は無い……勝つんはうちや……うちに決まっとる!)

洋榎(運命の流れにただその身を任せて来ただけのお前とは違う……)

洋榎(最後まで生き残る事が出来るんは、受け身の奴なんかやない……)

洋榎(女神が微笑むんは、己の運命を自らの手で掴み取ろうとする者だけや……っ!)


洋榎(頼む……絹の未来を……希望を……絶やさんでくれ……!)


それまで神など信じていなかった洋榎も、今はその神に縋るしかなかった。
やがて天秤の揺らぎは完全に治まり、無慈悲な神の裁定が皆の面前に示された。


黒服「これが女神マアトによる、覆す事の出来ぬ絶対的審判≠フ結果でございます」


その差は僅かであったが、優劣は誰の目から見ても明確に判断する事が出来た。


黒服「ご覧の通り、真瀬様の主張の方が洋榎様の主張よりも正当性がある様です……」


由子(私が……勝ったの……?)


洋榎「…………っ」

洋榎「嘘や……そんな……ここまで来て……」


失意から洋榎は呆然とした面持ちでその場に崩れ落ちた。
それとは対照的に、由子は心做しか安堵の表情を見せている。

特に自ら何かした訳でも無く、言うなれば洋榎の自滅によって得た勝利。
建前上表立って争う事が出来なかった由子にとっては、最も都合の良い結末。


由子(ううん、喜んでいる場合じゃない……。まだ何も解決していないわ……)

由子(最下位が誰であれ、皆が救われる未来を目指す事に変わりはないんやから……)


自分が優位に立った事で心に余裕が生まれ、精神の安定を取り戻した由子。
深い呼吸を何度も繰り返しながら、落ち着いて状況を再確認する。


由子(私達は……全員で生き残るのよ……っ!)


由子は自身の胸に手を当て、気の緩みを戒めるよう心の中で最終目的を反芻した。


郁乃「イヒヒヒヒッ……」



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/691.51 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice