過去ログ - 残酷で美しい世界 -SS速報VIP

過去ログ - 残酷で美しい世界

↓ 1- 覧 板 20

1: ◆ea43ELrW7g[saga]
2013/05/28(火) 02:04:17.02 ID:YXGI5jcAO
※進撃の巨人SS
※ミカサ視点

SSWiki : ss.vip2ch.com

2: ◆ea43ELrW7g[saga]
2013/05/28(火) 02:06:09.38 ID:YXGI5jcAO
――844――

私が両親を亡くした日。二人の後を辿りながら夜道を歩いた。

私が住んでいた山小屋が背後で小さくなっていく。

以下略

3: ◆ea43ELrW7g[saga]
2013/05/28(火) 02:08:18.61 ID:YXGI5jcAO
「そう、わかったわ。よろしくね、ミカサ」

髪に触れられた手に、顔をあげると優しそうな女性の笑顔が瞳に飛び込む。

黒髪がお母さんと重なって泣きそうになる。頷くことしか出来なかった。

以下略

4: ◆ea43ELrW7g[saga]
2013/05/28(火) 02:10:28.43 ID:YXGI5jcAO
翌朝、いつもと違う室内で目を醒ます。いつの間に眠ってしまったんだろう。

心のどこかで、あれは酷い悪夢だったのだという希望は崩れ落ちた。

「おい、まだ寝てんのかよミカサ。さっさと起きないとスープが冷めちゃうだろ」

以下略

5: ◆ea43ELrW7g[saga]
2013/05/28(火) 02:12:45.62 ID:YXGI5jcAO
「ミカサ。あまり食べれない？」

「そんなことは……」

食べたつもりでいたけど、全然食べてなかった。心と身体が別々な感覚。思った以上に、私は弱かった。

以下略

6: ◆ea43ELrW7g[saga]
2013/05/28(火) 02:13:33.53 ID:YXGI5jcAO
「エレン、そろそろ薪が切れそうだから拾って来てくれない？」

「えー……またかよ」

「良いでしょ、どうせ暇そうにしてるんだから」

以下略

7: ◆ea43ELrW7g[saga]
2013/05/28(火) 02:15:36.65 ID:YXGI5jcAO
「はぁ、めんどくさいな」

エレンの後を付いていく。この街を私は知らない。

――――

以下略

8: ◆ea43ELrW7g[saga]
2013/05/28(火) 02:16:21.69 ID:YXGI5jcAO
「大丈夫？」

「大丈夫に決まってるだろ！このくらい」

明らかに嘘をついてる。顔が必死でうっすら汗までかいてる。

以下略

9: ◆ea43ELrW7g[saga]
2013/05/28(火) 02:17:58.07 ID:YXGI5jcAO
「……悪い。けど、絶対手伝ったなんて母さんに言うなよ」

「言わない」

「それと！家が近くなったら俺の方に戻すこと」

以下略

10: ◆ea43ELrW7g[saga]
2013/05/28(火) 02:19:06.43 ID:YXGI5jcAO
「じゃあ、俺アルミンのとこ遊びに行くから」

「お待ち。ミカサも連れてってあげなさい」

「なんでだよ」

以下略

11: ◆ea43ELrW7g[saga]
2013/05/28(火) 02:21:09.56 ID:YXGI5jcAO
「まったく。あの説教癖はどうにかしてほしいよな」

「大事に想われてる証拠」

「過保護なだけだろ。前に壁の外に出たいなんて言ったらスゲー怒られたし」

以下略

12: ◆ea43ELrW7g[saga]
2013/05/28(火) 02:22:14.20 ID:YXGI5jcAO
「エレン、そっちの子は？」

「ミカサ、ちゃんと自己紹介しろよ」

「……ミカサ・アッカーマン」

以下略

13: ◆ea43ELrW7g[saga]
2013/05/28(火) 02:24:43.95 ID:YXGI5jcAO
――夕方、アルミンと別れて家路を歩く。その日を終えた人々が行き交い、沈んでゆく夕日が眩しい。

「アルミンの話は面白かったよな」

「とても新鮮だった」

以下略

14: ◆ea43ELrW7g[saga]
2013/05/28(火) 02:26:48.76 ID:YXGI5jcAO
夜、食事の片付けを手伝っているとイェーガー先生が帰ってきた。名医として名高い故に、やはり多忙なのだろう。

「ミカサ、傷口を見せなさい」

「はい」

以下略

15: ◆ea43ELrW7g[saga]
2013/05/28(火) 02:29:00.85 ID:YXGI5jcAO
――月日は流れ、私は少しずつだけど、皆との自然な付き合い方が出来るようになっていた。

イェーガー夫妻の優しさはもちろん、同年齢のエレンとアルミンの存在がとても大きい。

「おい、ミカサ！見ろよ！こんなに薪が背負えるようになったんだぞ」

以下略

16: ◆ea43ELrW7g[saga]
2013/05/28(火) 02:30:10.48 ID:YXGI5jcAO
アルミンは相変わらず、沢山の話をしてくれる。禁忌とされる危なっかしい話も多くあった。

「おい、お前そんな本持ってたらいけないんだぞ」

「返してよ！それは大切な本なんだから」

以下略

17: ◆ea43ELrW7g[saga]
2013/05/28(火) 02:32:17.72 ID:YXGI5jcAO
「くそっ！なんでミカサはこんなに強いんだよ」

「エレンもアルミンも弱っちいくせによ」

「だれが弱っちいだ！この野郎」

以下略

18: ◆ea43ELrW7g[saga]
2013/05/28(火) 02:34:37.29 ID:YXGI5jcAO
――845――

「エレン、薪を拾いに行こう」

「おう。行くか」

以下略

19: ◆ea43ELrW7g[saga]
2013/05/28(火) 02:35:36.50 ID:YXGI5jcAO
帰り道、エレンと並んで歩く。横顔はまだ涙を浮かべてる。

とても珍しいと思う。喧嘩でいくら殴られても泣いたとこを見たことが無かった。

だからこそ、心配になった。

以下略

20: ◆ea43ELrW7g[saga]
2013/05/28(火) 02:37:21.73 ID:YXGI5jcAO
――――

まるで家畜……エレンの言葉も理解が出来る。ハンネスさんの言葉も解る。

私は、今がまやかしの平和でも、エレンに危ない目には遭ってほしくない。

以下略

21: ◆ea43ELrW7g[saga]
2013/05/28(火) 02:39:07.62 ID:YXGI5jcAO
「……！！」

エレンも同じことを思ったのだろう。きっと、これだけ……？なのかと。

アルミンと三人で見送った調査兵団の派兵は100人以上いた。

以下略

52Res/26.78 KB

↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。

VIPサービス増築中！
携帯うpろだ|隙間うpろだ