29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/28(火) 23:59:45.70 ID:ZQlHfOg4o
「もういい、つまんない。だから……ご退場願おう」
「い、いや、その、何で引っ張られて、おまけに引き摺られてるんですかね?」
「もっと面白いリアクションが欲しかった。けれど鴨志田君は残念な人だった。それだけ」
「あ、あれ? もしかして、俺、逆に騙された系?」
「良いから出て行って!!」
バタン、と部屋の扉が閉じられた。女の子って、分からない。
と、女になった俺がそう思えてしまう辺り、やはりまだまだ未熟なのか、或いは、男の中の男だからこそ、分からないのか。
まぁ何にせよ、彼女を怒らせたことは間違いはなさそうで……、どう謝ったものかとその扉を眺めていた時である。
「中で随分いやらしい声が聞こえたんだけどなぁ……何してきたのかなぁ、響って」
「ひ、日和見!? いつからそこに!?」
「入寮したから、挨拶しに来たら、中から響と長谷川妹さんのエッチな声が聞こえちゃったものだからぁ」
「な、何もしてない! というか、しようとしたら追い出された的な!? あれ!?」
「……何かしようとは、してたんだ?」
「それもこれも、アイツが悪いんだ! アイツが妄想を垂れ流せなんて言うから!!」
「事情は良く知らないけど……、ね、響。そろそろ返事、聞かせてくれても良いんじゃない?」
あぁ、ついに来たと、俺は生唾を飲み込んで彼女と対峙した。そう、告白の返事を彼女から迫られている。
素直に承諾しても良いのかもしれない。しかし、今となっては気持ちがどっちつかずで、よく分からなくもなっている。
じゃあこの場で思い切って振ってしまうのか。彼女なら許してくれるかもしれない。しかし、明日からどんな顔をして彼女と向き合えば良いのだ。
ダメだ、やっぱり思うような答えが出ない。そうやって俺が頭を抱えてしまっていると……>>30
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