986:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[らすとです]
2013/08/04(日) 23:29:39.58 ID:pMXqW5UWo
再び、一本のナイフ状のダーツが飛んでくる。それは一瞬だった。
彼女を本能で庇おうとした俺がダーツを手に持ち行った、それが自分の力、ぬりかべダーツ男である。
名付けるならそうだろう、大地がせり上がり、壁が築かれてはそれが人形のように動き始める。
ゴーレムとも言うべきだろう土塊が、遷宮寺さんを、そして俺を守ってくれたのだ。
「……人形を造れるのですか、貴方は」
「……退いてくれ、羽川の姉さん。……さもなければ、こいつで俺はあんたを[ピーーー]かもしれない」
「あらあら、殺気立って……、良い眼差しですが、舞姫のテレキネシスダーツにも囲まれたようですし、
この場は大人しく去ると致しましょう。……ですが、覚えておきなさい。これが……抗争なんです」
それは偶然だった。あのダーツバーで貰った特注矢、それがぽろりとポケットから落ちたのだ。
それがぬりかべダーツ男を呼び起こし、的となって俺達を防いでくれた。
この出来事が無ければ、遷宮寺さんは絶命していただろう――――。
―――― 羽川舞姫、彼女は何者なのだろう。
そして、どうして私をダーツ部に誘ったのだろう。私に才能があるから? それとも、あんな出来事に巻き込もうと考えているから?
分からないと、膝を抱えていた。下っ端達を正気に戻し、帰宅しては、先ほどの出来事を思い浮かべる。
「何で……あんな事」
素直に怖かった。恐怖と言う感情って、こういう気持ちを言うのだろうかと、変に考え込んでしまう。
思い出すとまた身体が震えだす。これから、羽川さんにどう接していけば良いのだろう。
ダーツ部、続けるべきだろうか、やめるべきだろうかと悩んでいると、インターフォンの音が鳴る。
夜中三時に来客、警戒しつつそのモニターを眺めていたのだが、誰も居ない。
悪戯だと安堵した瞬間、それは部屋の中に突如現れ、そして……>>987
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