989:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/08/04(日) 23:38:32.82 ID:pMXqW5UWo
夜中三時に来客、警戒しつつそのモニターを眺めていたのだが、誰も居ない。
悪戯だと安堵した瞬間、それは部屋の中に突如現れ、そして……薬を飲まされ体が縮んだ。
昔から探偵の男の子が主人公のアニメがあり、最近ようやく連載が終わったとされるそれのように、
私は幼くなり、小学一年生レベルにまで戻されてしまう。
油断とはいえ、不意を突かれたとはいえ、想定出来ない次元の話が、突如起こったのだ。
「……悪いが、キミにはオリオンを叩く為の駒となって貰おう」
「お、オリオンって……な、何よそれ!」
「オリオン、羽川舞姫が復活させた抗争グループ。かつては東京を統べる一大勢力だったそれも、
今となっては構成員がたったの二人。笑えない話だ」
「それを、叩くって……」
「その通り、キミは人質だ。思った以上に彼が強力なのでね……」
クスリの影響なのだろうか、妙な睡魔が訪れる。それでも、何とか元に戻ろうともがくのだ。
じたばたと手足を動かし、その黒服の男から逃れようとする。しかしそれも、短い時間だった。
次第に睡魔に敗れた私は、深い眠りに堕ちる事となる――。
―― 夢を見ていたような気がする。何となくしか思い出せず、おぼろげなそれを掴もうと、頭を回転させていた。
真っ暗な部屋、扉は無い。灯りもなく、目が慣れるまでは随分と時間が掛かった。
その一室だけでしばらくは生活出来そうなくらい、食料の備蓄もあり、トイレ、風呂まで備わっている。
電気も水道も通っているのだが、電灯が一切無い。その真っ暗な中で、する事が無い私は夢を思い出そうとしていた。
まるで未来を予知したような夢だった。一人の少年、三人の少女、そしてそれに集った仲間。
それが、東京を、日本を、世界を救おうと、協力して敵に立ち向かっていく……。
その中の一人が、私だった――。
――――― つづきます
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