過去ログ - 【安価】エレン「オレが最強の兵士に?」アルミン「家族になりたい」3【育成】
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/30(木) 08:20:27.55 ID:+HT0fDRq0
稔を抱きしめる凪紗の手にぎゅっと力がこもった。
「だって…お父さんみたいに稔さんが死んだら…あたし、もう立ち直れないよ…」
「凪紗…」
稔は凪紗の手を離させて、頭をポンポンと軽く叩いた。
凪紗が稔を心配そうに見つめるので、にっと笑ってやった。
「平気だって、俺はしぶといぜ?まあ…凪紗が嫌って言うなら…今回は本部じゃなくて会場に乗り込むかな」
「オ、オイ!」
大槻が持ってた湯飲みを落とした。
「稔、それもかなり危険だろうが!」
「んなコトわかってるって。でも、先にガキたちの戦いを止めないといけないだろ?あの時は、首輪の機能を停止させても戦い止めなかったヤツとかいたし…」
「まあ…そうだけど…でもお前1人じゃ…」
大槻が続きを言いかけた時、凪紗が大槻の腹に軽くパンチをした。
「1人じゃ行かせないよ!あたしが稔さんを守ってあげるんだからっ!一応武道だって嗜(たしな)んでるし、銃器を使うのも得意だし。なんせお父さんと一緒に射撃場とか行ってたからねっ!」
また凪紗が稔に抱きついてきた。
何かと凪紗は抱きついてくる。
稔も男なので何も感じないわけではないが、やはり凪紗は稔にとっては妹みたいな存在だ。
「あ、メール来た!」
稔は凪紗を無理矢理引き剥がして、パソコンに向かった。
見ると、それは涼太からのものだった。
「あ、誰から!?まさか女!?」
「ちげーよ、馬鹿!」
稔は凪紗の額を軽く叩き、またパソコンに向き直った。
メールの内容はこうだった――
『井上サンへ。
とうとうプログラムが始まってしまいました。俺はとりあえず凛と一緒に建物の中にいます。今はちょっと細工したPHSでネットしてます。衛星を通じて電波を…まあ、詳しいこと言ってる余裕ないんでまたいつか(^^ゞまだ2時間くらいしか経ってないのに、もう死んでるやつがいます。俺たちの側にも1人死んでるやつが…
ここからどうすればいいですか?
政府のやつらに目付けられてるんで、大きいことはできないみたいです。
土方』
ということだそうだ。
近頃のガキはすごいな。
衛星だなんだって、細工までしちゃって…
まあ、コイツが特別なんだろうけど。
「おっさん、これからどうすればいいか、ってさ」
大槻は少し考え、自分のパソコンをいじりだした。
「よし、とりあえず土方君らの首輪を外したいね。こっちで資料探すから、ちょっと待ってもらってよ」
「うぃーっす」
稔は返信を打ち始めた。
「あ、稔さん打つの早いねっ!かっこいいv」
「どーも」
タイピングの速さはそこそこ自信アリだ。
メールも打ち終わって、稔は伸びを一つした。
「じゃあ、おっさん。俺買出し行ってくるよ」
「そうか?じゃあブラックガム買ってきてくれ」
そう言って大槻は100円玉を放り投げた。
それを稔は見事にキャッチした。
「うぃーっす。凪紗、お前は何かいるか?」
「あ、あたしピザマンお願いしまーす!」
「ん、わかった。金はいらねぇ、奢ってやるよ」
稔はダッフルコートをクローゼットから取り出して、外に出た。
もうすぐクリスマス、ツリーを飾っている家も少なくない。
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