4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/30(木) 00:35:49.52 ID:9mq4SAX+0
『はい、今開けます』
聞こえてきた声は、あの人の声。
開かれた扉の奥には素敵なあの人が、記憶と違わぬままそこに居た。
「……あれ、まゆちゃん……?」
唖然とする表情でまゆを見つめる彼。
そんな彼に、まゆは悪い印象を与えないようにっこりと微笑む。
……裏ではずっとドキドキしてるのは、内緒。
「はいっ、この前一緒にお仕事したまゆですよぉ」
初対面では一番の笑顔を見せれなかったから、それのお返し。
上手くできたかな? ちゃんとやったつもりではあるけど、振り返るとちょっとだけ不安になる。
「いや、あの……どうして、ここに?」
困惑する彼は手で頭を書いて、苦笑。といった感じ。
そういう顔も魅力的で、うっとりしそうになる。
けれども、それだけじゃ話は進まない。
彼はプロデューサーなのだから、まゆが言うことはただ1つ。
「まゆは……貴方にプロデュースされるために、アイドルになりにきました♪」
ゆっくりと、確実に言い切る。
……しばらく、彼はまゆのことをじっと見つめていた。
そして、見る見るうちに表情が変化していって……結構、面白かったかもしれない。
「え、ええっ!? だ、だって、あそこの事務所でモデルやってて……えっ、嘘っ!? 1人で!?」
「うふふ、そうですよぉ」
「事務所、事務所は……ああ、それ以前に1人で来たってことはまず寮……いや、まて、まずは……何をやれば!? しゃ、社長ー!」
誰から見ても慌てふためいてると分かるような、そんな彼を見て笑いが零れる。
ああ、やっぱり来てよかった。
だって、こんなにも充実した時間が、今後過ごせれるだろうと思うと嬉しくて仕方がなかった。
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