過去ログ - 食蜂「今日は卵が安いわねえ……」美琴「何してんのアイツ」
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3:SSS ◆5pbDteB19s[saga]
2013/05/30(木) 20:35:25.33 ID:TCuDJVoN0

気づかれない程度に離れた位置から観察すると、買い物かごに商品はあまり入っていない。
これから本格的に買い物を開始するものと美琴は当たりをつけ、気づかれないように店内へと体を滑り込ませた。
商品の隙間から様子を窺うと、食蜂は口元に手を当て、悩む仕草をしていた。


美琴(というか、本当にアイツはここんなところで何してんの?)


美琴には、こんな店と食蜂操祈という組み合わせは想像したことすらなかった。
そのため、スーパーにいるという状況にも関わらず、カゴを片手に買い物をしているということが信じられなかった。
何か裏があるのではないかという疑念が、美琴の頭を渦巻く。
食蜂は、卵10個入り100円という手書き感溢れるポップを前に立っている。
この店には、学園都市内で味を調整された試作品という触れ込みで、格安な商品も置いてあるようだ。
ポップの下には、「君にあふれる気味を!」というツッコミどころ満載の文字がうたわれているが、そのことで悩んでいる訳ではない様子だ。
相変わらず、大きめなひとり言がブツブツと美琴の耳まで届く。


食蜂「一番賞味期限が長いのが、一週間。卵のサイズがMでも、10個入りじゃ食べきれないわねえ……」

美琴(まあ、1日1個食べれば十分だから、余ったのを捨てるっていうのも……)

食蜂「7個食べられるとして、1個あたり14円。8個食べられたとしても、6個入り70円の方がお得かしらあ?」

美琴(って、セコい!? 何円単位の計算してんの!?)


食蜂は1円単位の計算を終えると、納得したように6個入りの卵パックを買い物かごに入れた。
実際には、研究目的に生産されている鶏卵なので、廃棄率は想像以上に高いものとなる。
美琴のもったいないという一般的な考え方も、この店では通用しないのだ。
しかし、今の一連の流れを見ると、食蜂は本当にこの店に買い物をしにきているということで間違いないようだ。
そうなると、なぜこんな店にという新たな疑問点が湧いて出てくる。
そんな美琴の疑問を余所に、食蜂はポップの下部分にあったQRコードを読み取り、次のコーナーへと歩みを進めていった。
曲がり角を右に曲がったことを確認し、美琴がポップのところまで近づくと、そこには“感想をメールで送ると、抽選で卵1年分プレゼント!”と書かれていた。


美琴「1週間分食べきれないって言ってんのに、1年分ももらってどうするんだか……」


ポツリとつぶやいた美琴は、視線を移すとその隣には賞味期限1年という卵が10個150円で陳列されていた。
美琴はその商品に戦慄を覚えつつ、消えていった食蜂を追跡した。



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