9: ◆IpxC/P/Kzg[saga]
2013/05/31(金) 12:45:10.86 ID:suZF7Yji0
【いつもと違うテンション】
同じテンションがいつまでも続くとは限らない。
落ち込んでいたり、喜んでいたりすればその振れ幅は変わってくる。
今日は事務所を支える事務員、千川ちひろについてだ。
いつもより楽しそうに仕事をしている。
「ちひろさん。何か、いいことでもあったんですか」
『いえ?別に、いつも通りですが』
「ううん、そうですか。何か、いいことがあったのかな、と」
『そんなことはないですよ、いつも通りです』
彼女はそう言うが、明らかに嬉しそうに仕事をしているのだ。
ある程度認知されている彼女の特徴としては、鬼、悪魔…すみませんでした。
正しく言うならば、世間のプロデューサーたちに対して非常に天使で大天使なチヒロエルだ。
そんな彼女が、今日に限ってはエナジードリンクもスタミナドリンクも和菓子も売らないのだ。
ありえない。ありえないだろう?そんなことがあってはならない。
ちょっと意地悪な気持ちになって、ちひろさんに尋ねてみたが、何もない。
あとあと俺の預金通帳が1万減っていたなんてこともなかったのだ。恐ろしすぎる。
「ちひろさん。やっぱり、何かあるでしょう。教えて下さい。気になって、仕方がなくて」
『………』
『…そんなに、気になりますか?』
「………」
「…はい。ちひろさんのことが、気になってしまって」
『プロデューサーさん…』
『わかりました』
『実は…いいことは、これから起こるんですよ』
彼女は小悪魔のように微笑んで、ゆっくりと目を閉じて、俺に身体を預けて。
こちらへ来たちひろさんを抱きしめるような形になって。
そして彼女は耳元で…そっと、呟いた。
『月末ガチャ』
おわり
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