過去ログ - ベルトルト「駆逐してやる……。この世から、一匹残らず……!」
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7: ◆OYNwm7H46c[saga]
2013/06/01(土) 20:41:17.89 ID:lH/DtXrEo
「クリスタがサシャにパンをやるとさ、ベルトルさんたまに『お腹いっぱいだから』とか
なんとか言ってちょっと分けて――」

「ベルノルドぉぉおおおおおおお!」

 今度の絶叫はライナーではなかった。
 気づけば男連中が身を乗り出し、目をぎらぎら輝かせてこちらを睨みつけている。

「お前ふざけんな抜け駆けかよ!」

「忘れたのか! 俺らの女神に関しては紳士協定を結んだだろ!」

「ああもう! 飲め! とりあえず飲め吐くまで飲めーーー!」

 クリスタは状況が飲みこめないらしく、僕と彼らの顔を交互に見比べて困り顔をしていた。

「よ、よく分からないけど皆みんな落ち着いて、ね?」

「まぁ、クリスタがそう言うなら」

「畜生、お前駐屯兵団にしろよ。絶対いじめてやるから」

 普通クリスタ本人を目の前にしては決して出ないような言葉が漏れているのは、
 やはり皆酔っ払っているからだろう。
 とりあえず命拾いしたようでほっと息をついていると、話題の中心はそのままクリスタに移っていった。

「ベルノルト。もう一杯飲みなよ」

 と、目の前になみなみに酒の入ったカップが差し出されたので、僕は思わず目を上げた。

「え、あ、ありがとう……」

 マルコだった。いつも通りの穏やかな笑顔だ。
 確かに僕のカップは空になっていたから、ありがたい気遣いではある。

「あー、でも、その、僕の名前は――」

「あはは、やだなベルトルト。忘れるわけないじゃないか」

「えっ」

 彼になら主張できると思ってささやかな勇気を出したのだが、返ってきたのは意外な言葉だった。
 マルコは自分のカップを取って、少しだけ口を付けた。

「少なくとも僕は、君を仲間だと思ってる。きっとみんなもそうだよ。これまでも……これからも、ずっと」


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