過去ログ - 小梅「白坂小梅のラジオ百物語」 Season 2
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204:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/26(水) 23:08:14.48 ID:zNvcmNG2o

『まあ、落ち着いて煙草でもやりながら、どっちが狐か確かめようじゃないか』

 切り株に座った祖父は落ち着いた手つきで煙管を取り出し、ゆっくりと刻み煙草を詰め、火をつけました。

 そして、自分で少しふかすと、ん、と煙管をこちらの祖父へ突き出してきたのです。

『ふん。それをくわえたら、木の枝なんだろう。三年前も、七年前も、こんなことがあった。今度こそ騙されん』

 私の横に立つ祖父はそう言って渋面を作りました。

『そうだなあ、あったあった』

 意外なことに煙管を差し出していた祖父もそれに同意して、煙管をくわえなおし、真剣な顔つきになりました。

『だがなあ、俺ぁ騙されようが構わんが、大事な孫を巻き込むとなったら、こりゃあ、いかん』

 言った途端、祖父は切り株から立ち上がり、煙草の煙をもう一人の祖父の顔にふっと吹きかけたんです。


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