過去ログ - 小梅「白坂小梅のラジオ百物語」 Season 2
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47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/08(土) 00:55:51.43 ID:ft/YjGomo

 だったら、と私が言うと、彼は目を伏せて言ったの。

『ネックレスってのは、あんな程度の傷しか残らない生やさしいものじゃないんです』

 え? と聞き返したのを覚えてる。
 なにも言葉にならなかったのを。

『タイヤに火をつける。それは間違ってないけど、タイヤにガソリンを振りまいてから火をつける。
だから、すぐに燃え上がって、熱で収縮したタイヤが首を締め付ける。
溶けたタイヤがべっとりと膚に張り付きながらね』

 あんまりにもひどい話だからか、彼は何度も焼酎を呷りながら続けてたわ。

『やられたほうは窒息と熱で暴れ回る、そんな処刑方法なんです』

 絶句する私を前に、彼は何度も首を振った。

『もし生き残れても、喉も顔も焼けてしまう。どれだけ早く助けられても、首回りだけで済むはずがない。なによりも、さっき歌ってた、あの歌……』

 そこで、彼は黙りこくってしまったわ。
 その口を開かせるのには、さらに二杯ほど飲ませないといけなかったわね。


『あれは、ロ族のものじゃない。虐殺をしていた、ハ族のほうの歌なんですよ』


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