4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/03(月) 23:37:19.21 ID:pG0rEEGC0
「だから、それは分かってるってば。加蓮、よく似合ってるよ」
それを自分でも意識してるのか、単純に勢い任せで感情をぶつけるのが苦手で、
結果的に凛はこういう回り道をするための言葉を、実に苛立たしげに言うのである。
「それじゃ、何が不満なんだ?」
そういうところが凛の美徳でもあるのだが、そういう状態で放置すると、大抵は碌なことにならない。
これは凛に限らない話だが、そうならないためにも、感情はできるだけ吐き出してもらう必要がある。
「……ウェディングドレス着た加蓮とツーショット撮る必要、無いよね?」
「それを言われると辛い」
そのために俺は薮蛇と知りつつも彼女を突っついて、挙句何とも気まずい告発を受ける事になるのだが、これはもう職務上致し方ないことなのだろう。
「そこは認めるんだ」
「まぁ、仕事を逸脱しちゃったとこだからな。一応、緊張を解すためって名目はあったけど」
「ふぅん……」
俺の申し開きに、凛は軽い溜息をまた吐いた。
しかし、今度の溜息はどちらかというと、決して悪くない感情を溶かし込んだ溜息だった、と思う。
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