過去ログ - 慎二「お前が僕のサーヴァントか!」その2
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409: ◆DDBjj51DRA[saga]
2013/07/19(金) 21:44:00.57 ID:IEIQMqDp0

銃弾同士の接触による跳弾。
軌跡の変更が本来不可能である銃の性質をも捻じ曲げる神業だ。
弾の回転と接触する角度を計算し、一秒にも満たない時間差をつけて引き金を引く。
アーチャーは、これを回避と同時に、しかも連続で行っていた。
跳弾した弾は、時に固定砲台を穿ち、時に光の剣を弾き、時にμ-12の移動を阻害する。
このうちの何れかを、必ず二回同時にこなすというのは、もはや技術の域を超越していた。

「……随分と解析に時間がかかるものだね。弾同士の跳弾なんて、すぐ思いつきそうなものだけど」

アーチャーが呟く。
思いつきそうというのは確かにそうだが、しかしそれは、人間ならばの話である。
アーチャーは彼女を人間と捉えているため、釈然としない思いをしているわけだが、ここはハッキリさせておこう。
彼女が確率の低い事象の肯定に時間をかけるのは当然だ。
彼女―――μ-12は人形である。
人間を素に造られ、人間を模して作られた人形。
少なくとも、造られた当初のコンセプトがこれであったことは間違いない。
人間のように生きていた時期もあったし、人間のように感情を得たこともあった。
だが、作った者たちにとってそんなものは関係ない。
彼女には、――彼女たちには、――製作者の意に反する権利が、そもそもない。
しかし、いくら人間を模した人形とはいえ、肉体は完全に人であり、命だってある。
アーチャーにとっては、鬼門だ。
自らの死を恐れない人間の相手など、二度としたくは無いだろう。

「―――…大体わかった。きみとボクは随分と違うが――――それでも、似たようなものなんだな」

それでも彼は、銃を構える。
今回は目的が違うのだ。彼女を殺す必要が無い。
―――後のことは、彼らに任せた。
アーチャーの役目は、目の前の人間をここに留めておくことだけ。

「ボクには君を殺す気がないけど――――――負ける気だって、さらさら無い」




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