過去ログ - 慎二「お前が僕のサーヴァントか!」その2
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88: ◆DDBjj51DRA[saga]
2013/06/14(金) 20:08:07.18 ID:AlIOGVXF0
アインツベルンの森[中心部]


バーサーカーは考えていた。
いや―――――――ようやく考えることが出来るようになった、と言うべきか。
普段の変体でも、理性を失って思考が出来なくなることはままあったが―――――ここまで長時間思考力を喪失していたことは数えるほども無い。
彼はこの戦争の道具として呼び出されてからここまで、まったくと言っていいほど理性というものに縁がなかった。
――――――いや、例外はある。
理性とはまた別のものだが――――――――イリヤスフィールという少女――――彼女を傷つけようということは、『彼ではない彼』もしなかったのだ。
それがこの戦争の性質によるものであるというのは分かっているが――――それでも、彼にとっては救いだった。
―――――その少女の近くに居れば無駄な破壊をしなくて済むし、――何より、守るためにこの力を使ってくれるというのは、感謝してもしたりない。
例えそれが飼いならされた猛獣のようなそれだとしても、だ。

―――――――――しかし、それは少女に依存しているに過ぎなかった。

少女が居なくなった途端――――――――『彼ではない彼』が本能のままに、獣のように暴れ出す。
最初は少女を守るためだったかもしれない。少女を助けるためだったかもしれない。
しかし森を駆けるうちに、段々と目的を見失っていった。
―――――――――――――少女が見つけられない苛立ちか――
――――――少女を守れなかった不甲斐なさからか――――――――
――――――――――そんな感情が『彼ではない彼』にあったのかどうかは定かではないが、とにかく――――
とにかく怒って―――――――――暴走した。

目の前の少年―――セイバーのサーヴァントには、どうやら『彼ではない彼』を打倒しうる力があるらしい。
もしかすると、それこそが――――力に振り回される彼と、『彼ではない彼』を救うことの出来る手段なのかも知れない。
少なくとも彼にとっては―――――――。


もういっそ―――――こんなことなら――――――――――…僕を――――――




「■■■■■■■■■■■■■■■■■■―――――――――――――――――――――――――――!!!!!!!」





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