4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/06/06(木) 23:26:46.96 ID:EFc8l7X10
誰!? 見つからないと思ってたのに。
頭上から聞こえた声に反応して頭を上げると、逆光に照らされて表情はよく見えなかったけど、見覚えのある人の顔がそこにあった。
「こ、輿水さん……」
「何してるんですか? 座るならちゃんとベンチに座ったらどうですか?」
輿水さん、私と同じ、シンデレラガールズ・プロダクションのアイドルの一人。
一つ年下だけど、私より先輩。立派にアイドルをこなしている。
私なんかよりすごいアイドルらしい。
輿水さんは二人用のベンチの片方に座っている。ちらりとこちらを振り向いた後、開いたもう片方を見た。
私は恐る恐る輿水さんの隣りに座った。……見た目だけなら、友達?
「仕事時間が変更になったので少し時間を潰そうと思ったら、星さんの姿が見えたので」
「え、見えた……?」
「あれで隠れてたつもりですか? 意外と丸わかりでしたよ」
ボッチ、実は無視されるので、本当に隠れられてるかどうか分からなかった。
「こ、輿水さんは、仕事の時間変更って……」
「ああ、相手の都合で変更になったんですよ。まあ、ボクはカワイイので今回だけは許してあげましたけど」
「もしかして……」
私が仕事の名前を告げると、「同じですよ。というか、気づいてなかったんですか」と返ってきた。
自分のことで精一杯で、周りのことなんて気に留めていられなくて……。
「ごめんなさい」
「あ、いや、その、別に謝って欲しい訳じゃなくてですね」
申し訳ない気持ちでいっぱい。
こんなとき、なんて答えたら輿水さんは許してくれるのだろう。教えて、親友。
………。
こんな時に限って何も応えてくれない。これが親友の応えなんだろうか。だとしたら、ちょっと手厳しい。
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