過去ログ - クリスタ「ユミルを好きになるお話」ユミル「ほう」
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[saga]
2013/06/07(金) 12:31:53.36 ID:DJ+7loo20
足の指を動かしてみる。痛みはない。膝を立ててみる。足首が痛い。
そろそろと足をベッドから降ろしてみる。右足は包帯がぐるぐると巻いてあった。
カタン――
ふと、左横から物音。隣のベッドの兵士が起きたようだ。その人の顔には、鼻と口以外ほとんど包帯が巻かれていた。
「水……」
探しているようだ。生憎持っていない。ユミルはまだ戻ってこない。
その兵士がベッドからずり落ちそうになるものだから、私は慌ててベッドから這い出た。
右足に激痛が走る。
「つうっ……」
「み、ず……」
彼は、触れられている感覚もあまりないようだった。やっとのことで彼をベッドへ戻した。
まだ、同じ言葉をぶつぶつと繰り返している。聞こえたのは彼のだけでなかった。
「たす……て」
「……ないで……ないで」
この部屋には他にも運ばれた人がたくさんいて、みんな同じように痛みや疼きに耐えるように低く声を漏らしていた。
中には過ぎ去った恐怖に怯える者もいた。そうまでして、得たものは。
今回の戦果はなんだったのだろうか。何か、人類に有益なものを得られたのだろうか。
「……」
ふと、泣き声。私は痛みのない左足を軸にして、正面のベッドで小刻みに震えていた自分と同じくらい小柄な少女に近寄る。
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