過去ログ - クリスタ「ユミルを好きになるお話」ユミル「ほう」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]
2013/06/23(日) 19:38:05.16 ID:KiAtpIgO0
苦しそうにサシャが言った。私は無意識に彼女の襟首を掴んでいた。サシャの言葉を聞いて謝りながら手を離す。
「どうして……そんなことしなくちゃいけないの……」
「……分かりませんよ……でも、あなたを死なせたくなかった。自分が死ぬことになっても……それは、分かります。だから、彼女は施設を襲撃して、もっと大事にしたんです……彼女に注目が集まるように……憶測ですが」
「襲撃?」
「ええ……建物を半壊させたと聞いています。詳しいことは内々で処理されて、分かりませんが……」
だって――ユミルは私がいなくたって、自分のやりたいように、やるのでしょう?
自分のために生きるのでしょう?
「私を生かすことが……やりたいことだった……なんて、そんなの……」
人には死ぬなと言っておいて。さんざん、私の世界を踏み荒したくせに。
結局、自分だって人のために死ぬんじゃない。そんなのって。
「そんなの……勝手すぎるよ……ッバカ野郎!」
声が、廊下まで響いた。脇腹に鈍い痛みが走り、顔をしかめる。
外にいた兵士が、何事かと覗いていた。
「ク、クリスタ……傷口が開きます……落ち着いて」
サシャが私の腕を抑える。落ち着かせるように、背中に手を回していた。
大きくてごつごつした手だった。
ユミルの手に似ていた。私をなだめるサシャの顔はひどいものだった。
涙と鼻水だらけ。
「……ごめん」
自分こそ、人に言える立場ではないのに。こうやって、人に心配をかけ世話を焼かれ、危険を顧みない。どうしようもない。正しくないことでもいいのだとやけっぱちなのだろう。ここにいたという証を残したいのかもしれない。それは、種を残すことに少し似ていて、相反する行動だ。
そうやっては、不安と恐怖をかき消そうとしてる。
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