過去ログ - 八幡「徒然なるままに、その日暮らし」
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◆/op1LdelRE
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2013/06/16(日) 21:24:24.07 ID:m6/l0qGM0
「突っ立ってないでソファに座ったら? 必要があれば呼ぶから、それまでは好きにしてていいわよ」
「お気遣いどーも」
折角のご厚意なので、言われるがままソファに腰を下ろすことにする。
と、身体がふんわりと沈みこんでゆく。何これ、柔らけぇ!
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◆/op1LdelRE
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2013/06/16(日) 21:29:11.52 ID:m6/l0qGM0
「それで今日は何を教えてくれるの?」
「そうね、手頃と思われるもののレシピを用意しておいたわ」
好きにしろとは言われたが、そうそう勝手な真似もできないし、そんなことしたら何を言われるか分かったものではない――というか分かりきっていると言うべきか。
なので、大人しく座ったまま、何とはなしに二人の方へと視線を向ける。
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◆/op1LdelRE
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2013/06/16(日) 21:40:46.05 ID:m6/l0qGM0
時折危なっかしい感じはあるものの、思ったよりも手際は悪くないように見える。
少なくとも、あのクッキー作りの時と比べれば雲泥の差だ。
もしかしたら、家でも結構練習していたのかもしれない。
雪ノ下の教えに素直に答えて、真剣な眼差しで調理に取り組んでいる姿に、気付けば意識を奪われていた。
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◆/op1LdelRE
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2013/06/16(日) 21:48:11.56 ID:m6/l0qGM0
「ヒッキー! ヒッキーってば!」
「お、おぅ」
ぼーっとしていたつもりもないんだけど、つい反応が遅れてしまった。
はっと我に返ると、由比ヶ浜が怪訝そうな目でこちらを見ている。
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◆/op1LdelRE
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2013/06/16(日) 21:53:56.22 ID:m6/l0qGM0
「どしたの? 寝てたの?」
「不躾にも程があるわね、初めて訪れた他人の家でも平気で寝られるなんて。恥の概念すらないのかしら」
「まず初めてじゃないだろ、この家に来るの。さり気なく記憶から追い出すの止めろよな」
これで、家から追い出されないだけまだマシか、と思うようになったらいよいよ末期なので気をつけないといけない。
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134
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◆/op1LdelRE
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2013/06/16(日) 22:01:07.33 ID:m6/l0qGM0
「でも、何かぼーっとしてなかった?」
「いや悪い、すごい頑張ってるなーってずっと見てたから」
「え? 見てたの?」
「あぁ、何ていうか、すごい真剣だったしさ、ちょっと感心してた」
「わ、わ、そんな……」
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◆/op1LdelRE
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2013/06/16(日) 22:05:49.88 ID:m6/l0qGM0
「由比ヶ浜さん! 菜箸菜箸! 危ないわよ!」
「あ、ご、ごめんねゆきのん」
珍しく慌てた様子の雪ノ下の言葉に、由比ヶ浜もはっと我に返り、振り回す格好になっていた菜箸をまな板の上に戻す。
それを見届けてから、雪ノ下がじろりとこちらを睨んでくる。
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◆/op1LdelRE
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2013/06/16(日) 22:11:48.43 ID:m6/l0qGM0
「変なこと言って悪かったよ。で、何かあったのか? まさかド派手に失敗かまして後片付けの手伝いが必要とか?」
「べ、別に変なことじゃ……っていうか派手に失敗って何!? ヒッキーはあたしの料理の腕を馬鹿にし過ぎ!」
「いや、それくらいしか俺を呼ぶ理由が思いつかなくて」
「もう。違うって、味見に決まってんじゃん」
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◆/op1LdelRE
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2013/06/16(日) 22:19:53.18 ID:m6/l0qGM0
「ふふーん、これは結構いけてると思うよー。はいヒッキー、食べてみて」
「え? いや、ちょっと」
俺の視線を爽やかにスルーして、由比ヶ浜は自信満々な様子で、楽しそうに小皿に乗せた料理を箸で小さく取り、俺の方へと向けてくる。
無邪気に自然に行われるその行為に、こっちの方が動揺してしまう。
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◆/op1LdelRE
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2013/06/16(日) 22:24:34.86 ID:m6/l0qGM0
「んぐっ」
「ね、どう? どう?」
勢い良く突っ込み過ぎだ、ちょっと刺さったぞ。
そんな俺の抗議の視線もやはり無視したまま、由比ヶ浜がきらきらした目で尋ねてくる。
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◆/op1LdelRE
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2013/06/16(日) 22:30:04.91 ID:m6/l0qGM0
「意外だ、美味しい」
「一言余計だし!」
「あぁいや悪い、何というか以前のクッキーのイメージが残っててさ。良い意味で期待を裏切ってくれたなーって感じで」
「もう、どうせなら普通に褒めてよ」
「まぁ比企谷くんにデリカシーが無いのは厳然たる事実にしても、確かにそう思うのも無理からぬところではあるわね」
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