過去ログ - 八幡「徒然なるままに、その日暮らし」
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137: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/16(日) 22:19:53.18 ID:m6/l0qGM0
「ふふーん、これは結構いけてると思うよー。はいヒッキー、食べてみて」
「え? いや、ちょっと」

 俺の視線を爽やかにスルーして、由比ヶ浜は自信満々な様子で、楽しそうに小皿に乗せた料理を箸で小さく取り、俺の方へと向けてくる。
無邪気に自然に行われるその行為に、こっちの方が動揺してしまう。
以下略



138: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/16(日) 22:24:34.86 ID:m6/l0qGM0
「んぐっ」
「ね、どう? どう?」

 勢い良く突っ込み過ぎだ、ちょっと刺さったぞ。
そんな俺の抗議の視線もやはり無視したまま、由比ヶ浜がきらきらした目で尋ねてくる。
以下略



139: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/16(日) 22:30:04.91 ID:m6/l0qGM0
「意外だ、美味しい」
「一言余計だし!」
「あぁいや悪い、何というか以前のクッキーのイメージが残っててさ。良い意味で期待を裏切ってくれたなーって感じで」
「もう、どうせなら普通に褒めてよ」
「まぁ比企谷くんにデリカシーが無いのは厳然たる事実にしても、確かにそう思うのも無理からぬところではあるわね」
以下略



140: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/16(日) 22:37:15.16 ID:m6/l0qGM0
「ゆきのんまで……」
「そうは言うけど由比ヶ浜さん、今日だってここに至るまでに、どれだけの回り道があったかを忘れたわけではないでしょう?」
「えーっと、うん、それはありがとうだけど」

 少し難しい顔をしながらの雪ノ下の言葉に、ちょっとトーンが下がる由比ヶ浜。
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141: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/16(日) 22:42:40.07 ID:m6/l0qGM0
 ちらと流しの方に目をやると、結構な惨状だった。惨状っつーか戦場?
今日これまで如何に大変だったかが容易に窺えるな。雪ノ下も大変だっただろう。
とは言ってもだ。

「でも、それだけ頑張ったってことだろ。今すぐに雪ノ下レベルまでなろうったってそりゃ無茶だけどさ、今日一日だけで凄い上達したってことだし。胸張っていいと思うぞ」
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142: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/16(日) 22:47:12.77 ID:m6/l0qGM0
「比企谷くんの言う通りよ。正直最初は道具の使い方も危なっかしかったけれど、大分慣れたんじゃない? この調子なら上達も早いと思うわ」
「そ、そうかな。えへへ、ありがと」

 数回瞬きを繰り返して、俺たちの言葉の意味をのみ込むと、由比ヶ浜は嬉しそうにはにかんだ。
見ているこっちも照れ臭くなるような、明るくて真っ直ぐな笑顔。
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143: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/16(日) 22:53:42.75 ID:m6/l0qGM0
 それから最後の仕上げをまた二人で完成させた後、テーブルにそれらを並べ終えると、そこはちょっとした晩餐会の様相を呈していた。
ここまで敢えて突っ込まなかったけど、お前ら気合い入り過ぎだろう。
称賛こそすれ文句なんてあるわけもないけど。

 さておき、もちろん完成した料理は、夕食としてスタッフが美味しく頂きました。
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144: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/16(日) 22:56:18.61 ID:m6/l0qGM0
「じゃあゆきのん、今日はホントありがとね」
「えぇ、ちょっと大変だったけど、私も楽しかったわ、こちらこそありがとう」

 玄関で友情の再確認をしている二人。
うんうん、仲良きことは美しきかな。
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145: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/16(日) 23:01:39.50 ID:m6/l0qGM0
「比企谷くんも、一応感謝しておくわ、協力してくれたわけだし」
「いや、礼を言うのはこっちだろ。美味い飯も食べられたしさ。ありがとな」
「あら、珍しく素直じゃない、皮肉を言ってきたら叩き潰す準備をしてたのに」
「お前は素直過ぎるんだよ」

以下略



146: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/16(日) 23:08:43.83 ID:m6/l0qGM0
「あぁ、あとはこれね」
「ん? 何だ?」

 思い出したようにぽんと手を打ってから、雪ノ下が棚の上に置いていた小さな紙袋を手にとって、俺に渡してくる。
中を覗くと、可愛らしくラッピングされたお菓子が入っていた。
以下略



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