過去ログ - 八幡「徒然なるままに、その日暮らし」
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187: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/25(火) 22:43:51.59 ID:V0EWwy6v0
 朝方の暴挙は既に完全に忘れてるらしい。
つーかそんな可愛い仕草されちゃ文句も言えやしない。
ジャムを塗りつつ、肩を竦めるだけに止めておく。
しかし朝から襲撃されたこっちがむしろ気を使ってるとか、俺って小町に弱過ぎだろ。

以下略



188: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/25(火) 22:51:00.22 ID:V0EWwy6v0
 昨夜、由比ヶ浜を送ってから帰ってきた後、なぜか俺の部屋で小町からの尋問タイムが始まり、結局根掘り葉掘り聞かれ洗いざらい話させられた。
微妙な表情で聞いていた小町だったが、話の最後に雪ノ下からのお土産のお菓子を渡してやると、表情が一転。
目をきらきらと輝かせて、ぱぁっと明るい笑顔に変わり、そこからテンションが急上昇の天井破り。
なぜか俺の背中をばんばん叩いて「やるなこいつぅ」とかわけの分からんことを言い始めたのだ。誰だよお前。

以下略



189: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/25(火) 22:55:18.84 ID:V0EWwy6v0
「いやー、これが喜ばずにいられますかって。まぁお兄ちゃんみたいなデリカシーのない鈍感の朴念仁には分からないだろうけど」
「そこでいちいち悪口を重ねんでもいいだろ」

 微妙に悪い感じの笑みを浮かべている小町。
何だかなぁ、元々それなりに辛辣ではあったけど、こいつ最近妙に毒舌が増えてきてる気がするんだよな。
以下略



190: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/25(火) 22:59:22.76 ID:V0EWwy6v0
「とにかく小町的には超嬉しかったわけですよ、いえーい。フラグ立ってないのかなーってがっかりする時期もあったけど杞憂だったんだね。やっぱり小町の乙女センサーに狂いはなかった!」
「朝からテンション高いよお前。何? 酒でも飲んでんの?」

 合いの手みたいに拳を突き上げんな、食事中だぞ。
ふりかけみたいに俺の頭にパンの粉がまぶされてんでしょうが。
以下略



191: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/25(火) 23:04:31.75 ID:V0EWwy6v0
「やーやー、とにかく今後に目が離せないね、期待してるよお兄ちゃん」
「だから何の話なんだよ、全く。ほらいいからさっさと飯食え飯」

 そうして普段の倍くらい疲れる朝食を取り終わって暫く。
名状し難い力が働いて、俺が小町の宿題を手伝っていた時のこと。
以下略



192: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/25(火) 23:08:22.88 ID:V0EWwy6v0
 さておき二人で仲良く宿題をしていたところで、小町の携帯が不意に鳴り出した。
小町は素早く立ち上がって携帯を耳に当てる。

「もしもしー……あ、どーもどーも、こんにちはです。ってそんなご丁寧に。もうホントいつもご迷惑をおかけして……いえいえホントお世話になってばっかりだと思いますし」
「お前どこのリーマンだよ、携帯に頭下げても相手見えねぇから」
以下略



193: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/25(火) 23:12:36.98 ID:V0EWwy6v0
 しかし今はあんまり見なくなったけど、電話のコードを指でくるくる弄るのと電話しながら受話器に向かって頭下げるのって、日本人特有の謎の文化だよな。
でも女の子がやると普通に可愛く見えるから不思議。一度戸塚にやってもらいたい。こう指でくるくるーって。
何これ、想像しただけで胸が高鳴るんだけど。

「ほうほう、ほうほうほう。おぉー、それはそれは! いいタイミング、小町的にも実にグッドなお話です、いやもうグッデストなお話!」
以下略



194: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/25(火) 23:16:46.32 ID:V0EWwy6v0
「――なるほどなるほど、かしこまりです。後はこの小町に万事お任せを。えぇもうすぐにでも! ではでは」

 ぴっと携帯を切ると、小町がくるりと俺の方に向き直った。
頬は微かに紅潮し、眼はきらきらと輝いている。
よく分からんが、何か良い報せだったのだろうか。
以下略



195: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/25(火) 23:21:04.86 ID:V0EWwy6v0
 ひらひらと手を振って答える。
その急用とやらが気にならないでもないけど――まさか男じゃないだろうな、とか――まぁ詮索して嫌がられるのもなんだし。
何にしても宿題の手を止めて自分の時間が戻ってくるだけ万々歳だろう。
と、思っていたのだが。

以下略



196: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/25(火) 23:29:43.66 ID:V0EWwy6v0
 びっくりした。そりゃもう近年稀に見るほど強烈な衝撃だった。
何で俺の急用が小町の携帯にかかってくるんだよ、捻り効き過ぎだろ。いやがらせか。
つーか誰だよ、そんな斬新な発想する奴。
驚きに固まっていると、小町が俺の手を取って立ち上がらせようとしてくる。

以下略



197: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/25(火) 23:34:42.07 ID:V0EWwy6v0
 なおも腕を引っ張ってくる小町に対して、俺も断固たる決意で腰を上げまいとする。
どうにも嫌な予感がするのだ――というか、そういう搦め手でくる相手の用事なんて碌なもんじゃあるまい。
ここは逃げの一手が正解だろう。こうなったら梃子でも動かないぜ。
そんな俺の意思を見て取ったのか、小町が眉を寄せつつ、ふぅと小さく息を吐く。

以下略



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