過去ログ - 八幡「徒然なるままに、その日暮らし」
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229: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/26(水) 23:18:22.93 ID:sc+fY0ZW0
 だって勝ち目なんて全くないし。
正直素手での殴り合いでも普通に負けると思う。
いや、我ながら情けない話ではあるが。
そんな俺に対して、けれど陽乃さんは追撃の手を緩めてはくれない。

以下略



230: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/26(水) 23:26:44.40 ID:sc+fY0ZW0
 精々どつき合いがいいところだ。
それだって実質俺が一方的にやられてるだけなので、正確にはどつき合いですらなく、ただのどつかれである。
何それ、悲しい……どうせなら部費でサンドバッグでも買ってもらえませんかね?
殴るの大好きな顧問の先生もストレス発散が捗ると思いますよ。

以下略



231: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/26(水) 23:32:27.81 ID:sc+fY0ZW0
 陽乃さんはそう言って、からからと楽しそうに笑う。
笑われる俺はというと、やはりどうにも憮然とする他なく。
というか何が大丈夫なのかさっぱり分からない。
しかし、俺をからかうのってそんなに楽しいのだろうか。
何? 俺ってリアクション芸人でも目指すべきなの?
以下略



232: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/26(水) 23:38:50.23 ID:sc+fY0ZW0
「陽乃さん」
「ん? 何かね、未来の義弟くん」
「その呼称は将来本当にそうなった男に言ってやってください」
「だから期待をこめてそう呼んでるんだけどなぁ」
「……一度聞いてみたかったんですけど」
以下略



233: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/26(水) 23:45:23.98 ID:sc+fY0ZW0
「どうして、俺なんですか?」
「ん? どうしてって? 何を聞きたいのか、ちょっと分からないなぁ」

 可愛らしく小首を傾げる仕草。
けれど口にする言葉があまりにも白々しいので、それすらポーズに見えてしまう。
以下略



234: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/26(水) 23:57:38.92 ID:sc+fY0ZW0
 暗に人間失格って言われてる気がする。
だがそれでいい、小町の為なら道を外そうが後悔しないぜ……じゃなくて。
今は俺たちのことを話しているわけじゃないのだ。

 忘れもしない――初めての邂逅の時の、陽乃さんが俺に一瞬向けた、全てを見透かすような冷徹な眼差しを。
以下略



235: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/27(木) 00:02:38.10 ID:M0nLcqb50
「陽乃さんは、雪ノ下のことを「雪乃」……」

 どうして口を挟んだんですか?
何でそんないい笑顔してるんですか?
素敵過ぎて寒気がしますよ。
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236: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/27(木) 00:08:57.86 ID:M0nLcqb50
「陽乃さんは雪ノ下の「雪乃」……」
「雪ノ下「ゆ・き・の」……」

 しつこい……いや分かるよ、何が言いたいのかは分かるんだよ。
だけど何だろう、こうまであからさまにやられると、さすがに抗いたくなってくるのだ。
以下略



237: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/27(木) 00:15:21.63 ID:M0nLcqb50
「あのですね」
「何かな?」
「俺の話を聞いてもらえません?」
「もちろん聞くよ、ほらほら、言って言って、恥ずかしがらずに、さぁ」

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238: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/27(木) 00:23:01.91 ID:M0nLcqb50
 と内心では思うものの、ここはクールにならないといけない。
もし相手が陽乃さんじゃなかったら、あるいは最後まで意地を張り通すこともできただろう。
しかし、逆らってはいけない相手というのは確かに存在するのだ。
これ以上は危険だ、と俺の中の何かがけたたましく警鐘を鳴らしている。

以下略



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