過去ログ - 八幡「徒然なるままに、その日暮らし」
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233: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/26(水) 23:45:23.98 ID:sc+fY0ZW0
「どうして、俺なんですか?」
「ん? どうしてって? 何を聞きたいのか、ちょっと分からないなぁ」

 可愛らしく小首を傾げる仕草。
けれど口にする言葉があまりにも白々しいので、それすらポーズに見えてしまう。
以下略



234: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/26(水) 23:57:38.92 ID:sc+fY0ZW0
 暗に人間失格って言われてる気がする。
だがそれでいい、小町の為なら道を外そうが後悔しないぜ……じゃなくて。
今は俺たちのことを話しているわけじゃないのだ。

 忘れもしない――初めての邂逅の時の、陽乃さんが俺に一瞬向けた、全てを見透かすような冷徹な眼差しを。
以下略



235: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/27(木) 00:02:38.10 ID:M0nLcqb50
「陽乃さんは、雪ノ下のことを「雪乃」……」

 どうして口を挟んだんですか?
何でそんないい笑顔してるんですか?
素敵過ぎて寒気がしますよ。
以下略



236: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/27(木) 00:08:57.86 ID:M0nLcqb50
「陽乃さんは雪ノ下の「雪乃」……」
「雪ノ下「ゆ・き・の」……」

 しつこい……いや分かるよ、何が言いたいのかは分かるんだよ。
だけど何だろう、こうまであからさまにやられると、さすがに抗いたくなってくるのだ。
以下略



237: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/27(木) 00:15:21.63 ID:M0nLcqb50
「あのですね」
「何かな?」
「俺の話を聞いてもらえません?」
「もちろん聞くよ、ほらほら、言って言って、恥ずかしがらずに、さぁ」

以下略



238: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/27(木) 00:23:01.91 ID:M0nLcqb50
 と内心では思うものの、ここはクールにならないといけない。
もし相手が陽乃さんじゃなかったら、あるいは最後まで意地を張り通すこともできただろう。
しかし、逆らってはいけない相手というのは確かに存在するのだ。
これ以上は危険だ、と俺の中の何かがけたたましく警鐘を鳴らしている。

以下略



239: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/27(木) 00:29:08.85 ID:M0nLcqb50
「陽乃さんは、ゆ、雪乃、のことを――」

 噛んだ。
うあー、駄目だ、やっぱあいつの名前ってば魔法だわ。目の前にいないのにこれだもん。
よりにもよって、一番見られたくない人に、一番見られたくないシーンを見られてしまった……くぅ、自分でも頬が紅潮してきてるのが分かるぞ、ちくしょう。
以下略



240: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/27(木) 00:34:57.35 ID:M0nLcqb50
「いやー、いいねぇいいねぇ、初々しいね青春だね、ご馳走さまだよもう」
「からかわないで下さいよ、いやホントに」
「うんうん、ぶっきらぼうでやさぐれた感じの男の子が、恥じらいながら女の子の名前を呼ぶのってこんなに良いものだったんだねぇ、眼福眼福。あー映像に残しときたかったかも」
「帰っていいですか?」
「ダメに決まってるじゃない」
以下略



241: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/27(木) 00:43:28.15 ID:M0nLcqb50
 あー、何かもういいや。悪い意味で吹っ切れたわ。
もう気にするのは止めよう。
これぞ開き直りの境地である。

「とにかくですよ、陽乃さんは雪乃のことを大事に思ってるんですよね?」
以下略



242: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/27(木) 00:50:26.39 ID:M0nLcqb50
 駄目だ、どうしたってペースを乱されてしまう。冷静でいることがこんなに難しいなんて……
てへっと笑う陽乃さんは、一見とても可愛く見えるが、正直もはやあざとさしか感じない。
というか今、何か謝りながら凄いこと言われた気がするぞ。
俺の何が正常じゃないって? 心当たりがあり過ぎて困るわ!

以下略



243: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/27(木) 00:56:58.06 ID:M0nLcqb50
 くすくすと忍び笑いしながら俺を見る陽乃さん。
何だかこう、その全てお見通しと言わんばかりの目で見られていると、落ち着かないことこの上ない。
実際この人は、俺のことをどこまで見透かしていて、どこまで先を読んでいるんだろう?
今日だって、一体何を狙って俺を呼んだのか、まだ全然見えてこないのだ。

以下略



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