過去ログ - 八幡「徒然なるままに、その日暮らし」
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281: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/30(日) 01:32:12.57 ID:ChvAzoBW0
「なぁ、無意味な仮定かもしれないけど、それでも敢えて仮定したとしてさ」
「何よ、いきなり。言語中枢でも壊れたの?」
「壊れてねぇよ。さっきの話に突っ込みを入れたいだけだよ。でだ、もし俺が陽乃さんに先に会ってたとしたらって話だったけど、その時は事態は今よりややこしくなってたぞ、間違いなく」
「……変な気の回し方は止めて頂戴、不愉快だわ」

以下略



282: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/30(日) 01:41:32.43 ID:ChvAzoBW0
「お前相手に気なんざ回すか、それならコマでも回してた方がよっぽど捗るわ。じゃなくて純粋な推察だよ。だって俺は、あの人のことを信用なんてできなかっただろうからな、お前と違って」
「――どうして? 身内贔屓になるけれど、あの人のことを疑うような人間なんて滅多にいないわ」
「生憎こちとら普通じゃなくてな。何しろ猜疑心の塊だぞ、俺は。綺麗な人が綺麗な言葉を口にしてるとか、そんなの疑えって言ってるようなもんじゃねぇか。ならきっと、どんな言葉をかけられたって俺はその裏を読もうとしてただろうし、そんな俺をあの人は見逃しちゃくれないだろ、叩きのめされてトラウマを一つ増やしてぼっち街道まっしぐらだよ。引きこもりにクラスチェンジだってあり得る」
「自分の惨めな敗北を、どうしてそんなに誇らしげに語れるのよ……」

以下略



283: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/30(日) 01:47:23.01 ID:ChvAzoBW0
「まぁ陽乃さんなら、もしかしたら無理やりにでも俺を更生っつーか矯正っつーか、そういうのもできたのかもしれないし、そうしたら俺の学校生活も変わってたのかもしれねぇよ。だけど、それは俺のこれまで歩いてきた道の全否定が前提だろ、そんなの絶対に御免だね」
「でも、更生できたら今よりもう少しはマシな人生を送れるのに」
「過去の自分を否定して、今の自分から目を逸らして、そこまでしてようやく手に入るような未来なんて、そんなのもう俺じゃねぇよ。欺瞞にも程があるわ」
「……相変わらず捻くれてるわね。良い人生を送りたいと思わないの?」
「前も言ったろ、こんなでも、俺は自分のことが嫌いじゃないんでね。結局大切なのは良いか悪いかじゃないんだよ、望むか望まざるかだ。押しつけられた幸せなんて不幸にも劣るわ。誰に何と言われようが、俺は今がいい。仮にもう一度選べるとしたって、先に出会うなら、俺は雪ノ下の方がいいよ」
以下略



284: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/30(日) 01:57:12.85 ID:ChvAzoBW0
「……」
「? どうした? まだ何かあるのか? 苦情なら勘弁してくれよ、もう陽乃さんの相手で満身創痍なんだから」

 ふと黙り込んでしまう雪ノ下。
とりあえず怒っているわけではなさそうだけど、何かを考え込んでいるみたいだ。
以下略



285: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/30(日) 02:02:05.12 ID:ChvAzoBW0
「“雪ノ下”じゃ、どちらか分からないわね」
「いや、それこそ文脈から読み取れよ、学年一位さん」
「何を言っているの? 重要な部分よ、そこをはっきりしないなら、出題側の方にこそ問題があると思うわ」

 すっと目を細めて俺を見やる雪ノ下。
以下略



286: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/30(日) 02:08:36.39 ID:ChvAzoBW0
 俺に向けられた雪ノ下の透明な眼差し。
その目にも、表情にも、今は何の感情も窺えない。
けれどそれが、あるいは俺の言葉でどちらかに振れるかもしれない――そう思ってしまうと、もう駄目だった。

 ここでもし仮に、万が一にも、負の方向へその針を傾けてしまったら。
以下略



287: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/30(日) 02:23:30.71 ID:ChvAzoBW0
「だから――」

 だから、言ってやろう。
言った結果どうなろうが、もういい。
そもそも本当にこいつが望んでいる言葉かどうかも分からないけど、はっきりと口にしてやる。
以下略



288:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/30(日) 02:26:02.25 ID:7i9IbzgZo
エンダアアアアアアアアア


289:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/30(日) 02:31:03.25 ID:RiHhaV/Lo
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!


290: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/30(日) 02:33:47.93 ID:ChvAzoBW0
 雪ノ下が、その瞬間目を丸くした。
口も微かに開いて、どこか茫然としたような顔。

 おぉ、何かレアな表情だなーと思ったのは一瞬。
今、自分が何を言ったのかを、遅れて俺の脳が理解して。
以下略



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