過去ログ - 八幡「徒然なるままに、その日暮らし」
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◆/op1LdelRE
[saga]
2013/07/15(月) 22:14:54.61 ID:9XZaaUq/0
「そう、平塚先生に。それで今度は何をやらかしたの?」
「おい何勝手に納得してんだよ、何かやらかしたことを前提にするなっての、今日は違うぞ」
「今日は、という言い方をするあたり、自覚があるんじゃない」
「ぐぬ……」
以下略
336
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◆/op1LdelRE
[saga]
2013/07/15(月) 22:21:22.97 ID:9XZaaUq/0
「とにかく今日は、単に先生の作業の手伝いに駆り出されただけだよ。提出物運ぶのとか資料の整理とか。ったく俺を何だと思ってんだか」
「いつものことでしょう。それにしても、あなた本当に雑務という肩書きが似合うわね」
「やめろ、おいマジでやめてくれ、そういうの地味にくるんだよ」
「えぇ知ってるわ、だから言ったのよ」
「ホントお前鬼だな」
以下略
337
:
◆/op1LdelRE
[saga]
2013/07/15(月) 22:28:52.23 ID:9XZaaUq/0
「立ち話もなんだし、座ったら?」
「お、おぅ」
すっと視線で自分の斜向かいの席を示す雪ノ下。
最近の、俺の指定席はそこだった。
以下略
338
:
◆/op1LdelRE
[saga]
2013/07/15(月) 22:33:18.19 ID:9XZaaUq/0
本を片手に、ががっと音を立てつつ椅子を引き、腰を下ろす。
机を挟んで斜め前に陣取る雪ノ下は、文庫本に視線を戻して、既に読書を再開しているようだ。
今までと比べて少し近い距離にあるその表情を、ちらと見てみる。
「何? さっきから人の顔をじろじろと。身の危険を感じるから止めてもらえないかしら」
以下略
339
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◆/op1LdelRE
[saga]
2013/07/15(月) 22:36:14.91 ID:9XZaaUq/0
まぁいつものことだし気にしても仕方ない。
ということで、予定通り読書に勤しむことにする。
さて、表紙買いしたこのラノベ、当たりか外れか――
そんな危惧も抱いていたけど、蓋を開けてみれば杞憂も杞憂。
以下略
340
:
◆/op1LdelRE
[saga]
2013/07/15(月) 22:40:01.25 ID:9XZaaUq/0
「何を読んでいるの?」
「っ……!」
耳元で囁かれた涼やかな声。
同時に、とても良い匂いが仄かに鼻腔を擽る。
以下略
341
:
◆/op1LdelRE
[saga]
2013/07/15(月) 22:43:32.88 ID:9XZaaUq/0
一息ついて振り仰げば、いつの間に背後まで来ていたのか、驚きに少し目を見開いている雪ノ下の顔がそこにあった。
近いって近いって。
思わず知らず仰け反るような体勢になってしまう。
「な、何? びっくりするじゃない、急に動かないで頂戴」
以下略
342
:
◆/op1LdelRE
[saga]
2013/07/15(月) 22:50:00.00 ID:9XZaaUq/0
不満げな表情で見下ろしてくる雪ノ下。
というか何で俺が悪いみたいな空気出してんだよ、お前は。
俺の非難の眼差しを、しかし雪ノ下は軽やかにスルー。
「それで、何を読んでいたのかしら? まさかその動揺ぶり、いかがわしい本でも見ていたのではないでしょうね?」
以下略
343
:
◆/op1LdelRE
[saga]
2013/07/15(月) 22:55:55.99 ID:9XZaaUq/0
「だってあなた、普段はブックカバーなんて使ってないじゃない。隠すような疾しいことがあるのかと疑うのは自然なことでしょう」
「ブックカバー使ったぐらいで疑われるのが自然とか、普段の俺ってどんだけ信用ないんだよ。昨日買ったばっかの新品だから使ってるだけだっての」
「紛らわしいわね、普段からそうしていなさい」
「何でそんな上から……」
「それで、その本は面白いの?」
以下略
344
:
◆/op1LdelRE
[saga]
2013/07/15(月) 23:02:19.01 ID:9XZaaUq/0
だけのようだとは言ったものの、これまでの雪ノ下のことを思えば、これは割と見過ごせない事象である。
何しろ“あの”雪ノ下雪乃だ。
口を開けば毒舌、目を向ければ蔑視、迂闊に近づこうものなら罵倒と共に撃退されるってのが基本姿勢だったのに。
それが今週に入ってからというもの、こういう風に急に距離を詰めてくることが増えたように思う。
座る席にしても、今まではテーブルの端と端だったのが、机を挟んだ斜向かいに座るようになってるわけだし。
以下略
345
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◆/op1LdelRE
[saga]
2013/07/15(月) 23:04:29.00 ID:9XZaaUq/0
「何? その薄ら笑いは? 不気味だから止めて頂戴」
「いや、お前さ、もう少しはオブラートに包む努力とかしたらどうだ?」
「心外ね、かなり包んであげたつもりなのに」
「包めてないから、全然包めてないから。何なら思いっきり突き破ってるレベルだから」
以下略
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