過去ログ - 八幡「徒然なるままに、その日暮らし」
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388: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/07/21(日) 20:06:36.48 ID:rJ2hA1u/0
「待たせたな! 君たち!」

 ガラッと扉を勢いよく開けて部室に乱入してきたのは、魅惑のアラサー・平塚先生だ。
相も変わらぬ男前な笑顔と訳の分からん台詞で、先程までの静かで穏やかな空気は完膚なきまでに雲散霧消していた。
材木座も真っ青な空気ブレイカーである。
以下略



389: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/07/21(日) 20:15:39.39 ID:rJ2hA1u/0
「平塚先生、何度も言っていますが、部屋に入る前にはノックをしてください」

 頭痛でもするのか、雪ノ下が櫛を持った手でこめかみを抑えながらぼやく。
聞き入れてもらえないことを理解しながら、それでも諦めない根性は天晴れだけど、無駄な努力は止めた方が双方の為じゃないか?
何だか様式美みたいになってるし。
以下略



390: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/07/21(日) 20:21:34.04 ID:rJ2hA1u/0
「まぁ固い事を言うな、そう眉間に皺を寄せていると綺麗な顔も台無しだぞ」
「誰のせいだと……」
「んで、何しに来たんですか? 先生は」

 多分澱んでいるだろうジト目で平塚先生を見やる。
以下略



391: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/07/21(日) 20:30:05.89 ID:rJ2hA1u/0
「ふむ、まぁ特に用があるわけでもないんだがな、たまには顧問らしく部室に顔を出そうと思っただけだ」
「いや、何か今日は用事があるって言ってたじゃないですか、だから俺を手伝いに駆り出したんでしょう。それが何でまだ学校に?」

 手伝ってる時に聞いた話である。
ちょっと浮ついてる感じだったから、婚活パーティーか何かだと睨んでいたのだ。
以下略



392: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/07/21(日) 20:38:09.50 ID:rJ2hA1u/0
「中止になったんだよ、ドタキャンやらで集まりが悪いらしくてな。全くどいつもこいつも根性が足らん、肉食系の男はおらんのか?」
「雑食系じゃなくて?」
「何が言いたい?」
「い、いえ、何も――」

以下略



393: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/07/21(日) 20:48:36.37 ID:rJ2hA1u/0
「要するに、先生はここに愚痴をこぼしに来たんですか?」
「ふむ、雪ノ下よ、概ね間違ってはいないが、もう少しオブラートに包んでくれてもいいんだぞ」
「回りくどいのは苦手ですので」

 雪ノ下の容赦の無さと冷ややかさは、平塚先生が相手でもあまり変わらないらしい。
以下略



394: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/07/21(日) 20:57:34.71 ID:rJ2hA1u/0
「それで何で真っ先にここに来るんですか? 他を当たってください、他を」
「最初は陽乃のヤツに電話したんだがな、暇潰しに忙しいとか言われて切られた」
「凄いですね」

 陽乃さんにそんな愚痴を聞かせようとした先生も、仮にも恩師にそんな暴言吐ける陽乃さんも。
以下略



395: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/07/21(日) 21:17:22.19 ID:rJ2hA1u/0
「そもそも、そういう話は同年代の友人相手にすれば良いと思うのですが」

 おっと雪ノ下も負けちゃいなかった。
暗に自分にそんな話を聞かせるなって言ってやがる。
姉と同じくばっさりだ。
以下略



396: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/07/21(日) 21:25:35.12 ID:rJ2hA1u/0
「馬鹿を言うな、そんなことをしたら惨めになるだけだろう」
「教え子の高校生相手に愚痴を聞かせている時点で――」
「止めろ雪ノ下、追い打ちをかけんな」

 見かねて止めに入る。
以下略



397: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/07/21(日) 21:35:44.80 ID:rJ2hA1u/0
「大体、友人連中なんて結婚してるヤツも多いし、子供がいるヤツまで……そんな連中と何を話せと? 他人の惚気話なんぞ聞きたくはない!」
「んな心の狭いことだから結婚できないんじゃ――」

 ギン! と一際強烈な視線が俺に突き刺さった。
もう言葉が無くても“それ以上喋ったら殺す”というメッセージがびりびりと伝わってくるレベル。
以下略



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