過去ログ - 八幡「徒然なるままに、その日暮らし」
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40: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/08(土) 02:32:53.36 ID:9jYWSIZM0
 一瞬開きかけた口は、しかし意に反してすぐに噤まれてしまう。
よく考えたら、いつぞやの由比ヶ浜の時とは状況が違い過ぎるのだ。
あの時は話の流れがあって、むしろ名前で呼ぶ方が自然な状況になってたし、会話の勢いでさり気なく口にすることだってできたけど、今は違う。
部室に二人きり、雪ノ下と向かい合わせ、静寂の空間。
おまけにこんな思いっきり待ち構えられた状態で、しかも真正面から見据えられた体勢でとか、何段ハードル重ねてんだよ。
かと言って今更止められもしないし、そもそも目を逸らすことさえ許されない雰囲気だし、八方塞がりもいい所だ。

 駄目だ、意識するなって考えると余計に意識しちまうぞ、これ。
何も考えるなって思うと、余計に変なことばっか考えてしまう。
血の巡りが良過ぎるのか、頭がぼーっとしてくる。
おまけに、視界に入ってくるのは、沈黙を保つ雪ノ下の姿だけなのだ。思考が暴走するのもむべなるかな。
澄んだ目してるんだなーとか、睫毛長いなーとか、髪綺麗だなーとか、何かわけのわからん考えがぐるぐる回っている。
知恵熱出そうな勢いだ。
何をそんなに緊張しているのか、自分で自分が分からない。



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