過去ログ - 八幡「徒然なるままに、その日暮らし」
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413: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/07/21(日) 23:20:57.72 ID:rJ2hA1u/0
 は? と俺が間抜けな声を上げるのを聞くでもなく、平塚先生は今度こそ部屋を後にする。
一瞬呆けて、それからようやく気付く……まだ雪ノ下の手を握ったままだったことに。

 と同時に、手に伝わってくる様々な感触が、堰を切ったように俺の脳内を駆け抜ける。
きめ細やかな肌の滑らかさを、その芯にある温もりを、そんな諸々を知覚して。
今更ながらに自分が何をしているかに気付き、血の気が引く思いがした。

 俺が手を掴んでから、雪ノ下は一言も言葉を発していない。
座った今の体勢では、背後の彼女がどんな表情をしているかも、まるで窺い知れない。
突然の出来事に硬直しているだけだとしたら――手を離した後、俺を極北の冷気が襲うのは間違いないだろう。



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