過去ログ - 八幡「徒然なるままに、その日暮らし」
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◆/op1LdelRE
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2013/08/25(日) 23:00:43.79 ID:5Bc/XANn0
けれど、そうと分かっていてもなお、長い黒髪をなびかせながら透き通るような表情で左右を窺っているその姿は、誰しも惹かれずにいられない。
困ったように少し眉を寄せているその憂いの表情は、見ている側の方がため息をつきたくなる程の魅力を湛えている。
気付けば、さっきまで無色にも思っていたはずの風景は、その瞬間に一陣の風が全て吹き飛ばしたかのように、鮮やかな色合いを取り戻していた。
以下略
594
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◆/op1LdelRE
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2013/08/25(日) 23:04:08.04 ID:5Bc/XANn0
新雪のように真白な肌と黒曜石のように輝く黒髪の鮮やかなコントラストが、彼女の存在感から現実味を削り取ってしまっている。
夢か現か幻か――人の世界にありながら、どうしてこうまで幻想的なのだろうか。
強く主張するような華麗さはないけれど、そっと寄り添うような可憐さを携えた立ち姿。
以下略
595
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◆/op1LdelRE
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2013/08/25(日) 23:10:18.46 ID:5Bc/XANn0
「雪乃さーん、こんにちはー」
そんな静寂の空間に思いっきり風穴が開く。
俺の懊悩や葛藤など何処吹く風、と小町は果敢に雪ノ下へと声をかけつつ歩み寄っていく。
以下略
596
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◆/op1LdelRE
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2013/08/25(日) 23:17:05.02 ID:5Bc/XANn0
「あら小町さん、こんにちは、元気そうで何よりね」
「いーえー、雪乃さんこそです。でもでもこんな所で会えるなんて、凄く嬉しい偶然もあるんですねぇ」
「ふふ、そうね――ところで少し気を付けた方がいいわ、目つきの怪しい男があなたの跡をつけてきてるから」
「おい、会って早々それかよ、ご挨拶にも程があるだろ、雪ノ下」
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597
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◆/op1LdelRE
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2013/08/25(日) 23:20:26.77 ID:5Bc/XANn0
「やー確かに目はちょっとアレですけど、一応これでも小町にとってはそれなりに頼れるお兄ちゃんなんで、どーぞご安心を」
「お前もお前で実はフォローする気ないだろ」
「えー? ちゃんとしてるじゃん」
「……いやまぁいいけどさ」
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598
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◆/op1LdelRE
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2013/08/25(日) 23:24:30.72 ID:5Bc/XANn0
ぼっちの行動パターンが似通うというのも、あながち妄言とまで言い切れないのかもしれない。
そんな風にやるせない感じに浸っていると、わざわざ聞こえよがしにため息をついて、雪ノ下が改めて俺へと向き直る。
「それにしても随分奇遇ね。あなたが休みの日に出歩くなんて、明日は嵐でもくるのかしら」
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599
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◆/op1LdelRE
[saga]
2013/08/25(日) 23:29:35.55 ID:5Bc/XANn0
相も変わらぬ上から目線でのお言葉だった。あまりのありがたみに言葉もないわ。
しかし俺への文句はさておき、何でお前が小町の姉みたいに振舞ってんの?
小町の為に生きてると言っても過言じゃない俺に対してその忠告とか、おこがましいにも程があるぞ。
口に出したら小町にさえ引かれそうだから言わないけど。
以下略
600
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◆/op1LdelRE
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2013/08/25(日) 23:34:09.84 ID:5Bc/XANn0
翻って、小町の質問に対しては淡く微笑みながら返す雪ノ下。
びっくりするくらいの温度差だった。砂漠の昼夜でもこうは行かない。
大自然よりも過酷とか、雪ノ下さんマジぱねぇ。
以下略
601
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◆/op1LdelRE
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2013/08/25(日) 23:39:29.79 ID:5Bc/XANn0
「んじゃ、そっちの邪魔するのもなんだし、俺たちはこれで。また学校でな」
「そうね、じゃあ――」
「ちょーい待ちっ! はいストップ、二人とも良い子だから待って下さいよー」
「何だよ?」「何かしら?」
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602
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◆/op1LdelRE
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2013/08/25(日) 23:44:59.16 ID:5Bc/XANn0
総合的に判断するに、多分あれだ、期間限定か店舗限定のパンさんグッズあたりが狙いなんだろう。
確かここにもディスティニーストアがあったはずだし。
だとしたら、むしろここでさよならしない方が怒りを買いかねない。
以下略
603
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◆/op1LdelRE
[saga]
2013/08/25(日) 23:54:06.84 ID:5Bc/XANn0
「まぁ聞け小町。雪ノ下も自分の買い物で来てるってんだから、邪魔しちゃ悪いだろ。目当てのもんとか色々あるだろうし。な?」
「ん?」
俺の説得の言葉に、しかし小町は不思議そうにただ小首を傾げるのみだった。
以下略
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