過去ログ - 八幡「徒然なるままに、その日暮らし」
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697: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/09/08(日) 22:57:33.25 ID:w+pXWpAe0

 優雅に微笑む雪ノ下と、憮然とした表情の俺。
けれど、俺だって別に不快な気分ではなかった。
何よりも――

以下略



698: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/09/08(日) 23:04:34.16 ID:w+pXWpAe0

 改めて思う――こんなのほとんど反則だと。
であれば当然、ただのぼっちに太刀打ちできる道理も無い。
傾国の美女という言葉のその端緒を、図らずも垣間見てしまった気分ですらある。

以下略



699: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/09/08(日) 23:14:24.00 ID:w+pXWpAe0

 それから、連絡の為にと携帯の番号とメアドを交換した。
何とも今更感が半端無かったけど、それは俺だけだったようで、雪ノ下はいつも通りの冷静な表情で携帯を弄っている。
あるいは慣れない登録に手間取って他のことを気にする余裕がないだけかもしれないけど。使い慣れてなさそうだもんなぁ。

以下略



700: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/09/08(日) 23:24:25.28 ID:w+pXWpAe0

「とにかく節度は守るようになさい。まぁ一日一通未満までは許可してあげるわ」
「おい、それはあれか、俺に一切メールを送んなって言ってんだな?」
「あら、数学が苦手という話だったけれど、よく気付いたわね」
「日本語まで苦手だって言った覚えはないぞ」
以下略



701: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/09/08(日) 23:35:38.60 ID:w+pXWpAe0

「とにかくあれだ、用もないのにメールはすんなってことだろ? 心配せんでも分かってるから」
「理解しているならいいわ。あぁそれと、私からのメールには出来るだけ早く返信すること。いい?」
「え? そんな厳しいこと言われんの?」
「当然じゃない、あなたが私を無視するなんて許されることではないわ。逆ならともかく。自然の理に反しているでしょう、そんなこと」
以下略



702: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/09/08(日) 23:43:57.39 ID:w+pXWpAe0

「――まぁ手を貸すって言ったのは俺だしな。なるべく早く返すようにはするよ」
「そう……それは殊勝な心がけね」

 可愛げのない言葉。
以下略



703: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/09/08(日) 23:49:22.44 ID:w+pXWpAe0

 その後、家路についてからのこと。
自宅近くまで来ていた所で携帯にメールが届いた。
普段なら本命小町、対抗由比ヶ浜ってところなんだけど、今日に限れば少し違うだろう。
そう考えつつ差出人を確認すると、想像した通り、今日登録したばかりの雪ノ下の名前がそこにある。
以下略



704: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/09/08(日) 23:58:13.57 ID:w+pXWpAe0

 つい呟きがもれてしまう。
届いたメールに、普段の雪ノ下からは考えられないくらいに素直な言葉が並んでいたせいである。
ストレートに感謝の意思表示、皮肉も罵倒も無し、何と珍しい。
そりゃ驚いてつい笑ってしまいそうになるというものだ。
以下略



705: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/09/09(月) 00:08:52.69 ID:V8OsbNPQ0

 それにしても、である。
改めて携帯に視線を落として、もう一度その文面を読み直す。
不思議と言うのか不自然と言うのか、差出人が間違ってるのでは? と、つい思ってしまうのは俺が毒され過ぎなのだろうか。
ほんの数行の文章なのに、どうにもむず痒い心地になってしまう。
以下略



706: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/09/09(月) 00:14:17.56 ID:V8OsbNPQ0

 返信内容を入力しているうちに、ふと頬が緩んできてしまう。
やはり今日の俺はどこかおかしいみたいだ。
悪戯心か、あるいは他の何かか、返信を打つ指が、普段の俺からは考えられないような言葉を連ねて行く。
後で見返したら後悔するかもしれないような、そんな言葉を。今日の本音の感想を。素直な今の心境を。
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