過去ログ - 八幡「徒然なるままに、その日暮らし」
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◆/op1LdelRE
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2013/06/16(日) 00:17:14.33 ID:m6/l0qGM0
「おつかれー」
声をかけつつ扉を開けると、部屋には既に雪ノ下がいた。
いつもの席に腰掛けて、本を広げて読書の真っ最中だ。
俺が部屋に一歩踏み出すと、ちらと視線を上げてこちらを見てくる。
以下略
84
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◆/op1LdelRE
[saga]
2013/06/16(日) 00:20:41.65 ID:m6/l0qGM0
「遅かったわね」
「お前が早過ぎるんだよ」
「愚鈍なあなたを基準に考えないで頂戴、失礼だわ」
「まずお前が俺に対して失礼だという発想はないのか?」
以下略
85
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◆/op1LdelRE
[saga]
2013/06/16(日) 00:25:25.39 ID:m6/l0qGM0
「……」
ふと視線を感じて、横目でちらと窺う。
何か知らんが、雪ノ下がこちらをじっと見ていた。
黙ったまま、微動だにせずに、じっと。
以下略
86
:
◆/op1LdelRE
[saga]
2013/06/16(日) 00:29:17.69 ID:m6/l0qGM0
「雪ノ下?」
何となく落ち着かなくなり、呼びかけてみる。
人間観察を常としている俺ではあるけれど、観察される側に回ることは滅多にない。
見るのはともかく、見られるのには慣れていないのだ。
以下略
87
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◆/op1LdelRE
[saga]
2013/06/16(日) 00:34:56.69 ID:m6/l0qGM0
「……雪ノ下、ね」
「?」
聞こえてきた小さな呟きに、一瞬何を言ってるのか分からず戸惑ってしまう。
が、次の瞬間思い当たった。
以下略
88
:
◆/op1LdelRE
[saga]
2013/06/16(日) 00:39:46.81 ID:m6/l0qGM0
そもそも、そんな風に馴れ馴れしく振舞えるような間柄でもあるまいし。
手の届かない所で咲いているからこそ、高嶺の花と呼ばれるのだ。
間違っても、俺なんかが軽々しく触れていいものではない。
地を這う蛙が月に焦がれたとして、一体何ができようか。
眺めているだけで満足しとけ、という話である。
以下略
89
:
◆/op1LdelRE
[saga]
2013/06/16(日) 00:42:37.01 ID:m6/l0qGM0
なので、何も言わない。
断固たる意志でもって読書を再開する。
ちくちくと視線は刺さってくるけれど、敢えて無反応を貫く。
雪ノ下の負けず嫌いは百も承知だが、こればっかりは譲ってもらわないと困る。
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90
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◆/op1LdelRE
[saga]
2013/06/16(日) 00:45:34.94 ID:m6/l0qGM0
本当にこいつは、もう少し自分の挙動が周囲に与える影響について自覚してほしいね。
こいつの思わせぶりな仕草に、これまでどれだけの男子が涙を流してきたか、全く想像に難くないというものだ。
思春期男子の勘違いし易さをなめるなよ。
とは言っても、あまり自覚し過ぎるのも困りものではある。
以下略
91
:
◆/op1LdelRE
[saga]
2013/06/16(日) 00:49:25.68 ID:m6/l0qGM0
「やっはろー!」
微妙な空気が流れること暫し。
そんな空間をぶち壊したのは、最近では耳慣れた感のある明るく陽気な声だった。
勢い良くドアを開けて入ってきたのは、由比ヶ浜結衣――奉仕部のもう一人のメンバーだ。
以下略
92
:
◆/op1LdelRE
[saga]
2013/06/16(日) 00:53:17.72 ID:m6/l0qGM0
「こんにちは、由比ヶ浜さん」
「ゆきのん、昨日来れなくてごめんね」
「気にしないで、あの男と二人きりだったこと以外に問題はなかったから」
「あはは、ゆきのんってばもー」
以下略
93
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◆/op1LdelRE
[saga]
2013/06/16(日) 00:57:09.33 ID:m6/l0qGM0
仲良さげに会話を交わしている二人。
しかし雪ノ下も、由比ヶ浜に対しては結構自然だよな。
こうして外から見てる分には、普通に仲の良い女子高生同士にしか見えん。
あんな柔らかな表情、俺に対しては痛烈な皮肉を言う時くらいしか向けてこないけど。
以下略
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