過去ログ - モバP「お題でSS」
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167: ◆IpxC/P/Kzg[saga]
2013/06/09(日) 22:53:15.93 ID:CY9RELSC0

【Pの呼び方を変えてみよう 薫編】

今日は龍崎薫についてだ。

龍崎薫は俺のことを教師にならいせんせぇと呼ぶ。
なんだか俺も誇らしげになってしまうが。
けれど、今日はそうではない。

「せんせぇ、かおる、今日は呼び方を変えてみようと思う!」

『ああ、薫。ええと、せんせぇから今度は何に変わるんだ?』

「え?えーとね!うーん、そう!あなた、とか!」

よし、止めよう。それは止めよう。俺は刑務所にぶち込まれる。
後ろで大人組の皆様が笑顔で俺の逮捕を待っているよ。
それだけはいけないよ。案を変えようか。

『それだと何かあれだから、もっと他のにしようか。うん。な?』

「えと、えと。なら…そうだ!Pせんせぇ!」

私を殺してみなさいとか言いかねない感じなのでこれも却下だ。
触手プレイは好きだが後々職種が選びづらくなってしまう。
クビだけは避けたいところなので変えよう。それより。

『ああ、それよりさ。なんで、薫は俺の呼び方を変えたいんだ?』

「…かおる、分からない」

「胸の、えっと。このあたりが、その」

考えをまとめることができないのか、もどかしそうにしている。
と、その瞬間、わかった!と声をあげ俺の胸に飛び込む。
いつものように、えへへ、と可愛らしく笑って。

「かおる、わかったけど、せんせぇには秘密」

『なんだ、やっぱりせんせぇに戻っちゃったか』

「ううん。かおる、やっぱり、やっぱり」

小さな子供ながら、めいいっぱい考えていることがわかった。
ころころと表情が変わる薫の表情は、いつしか年頃の少女の顔だった。
ああ。それを見て、気づいた。彼女も、人並み以上に感情が機敏であることに。

それを分かった上で、俺は慎重に言葉を吟味した。

じゃあ、俺のことを、何て呼ぶ?単純で、もっとも複雑な問い。
けれど、もうその答えは出ているようで、俺にも分かった。
なら、俺も一歩を踏み出そう。共に歩み寄ればいい。

「Pさんって、呼びたいの」

「だって、その方が…あっ、やっぱり、いい」

「…まだ、Pさんには、秘密だから!」

秘密は女を女にする、とはよく言ったものだ、と思った。
悩みに近しいその感情は、彼女を少しだけ大人にさせた。

そして、龍崎薫は俺の腕の中で、嬉しそうに、そっと呟いた。

「ありがとう、Pさんっ」

                 おわり




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