248: ◆IpxC/P/Kzg[saga]
2013/06/10(月) 12:12:02.62 ID:Yeh/2aCV0
【新エリア「ウサミン星」開放】
最近仕事を進めていると、リストの下に新たなエリアが追加されていた。
その名もウサミン星。なるほど。安部菜々の現住所だった。
東京から一時間の落花生の連なるあの県…星である。
アイドルを引き連れ、その住所を目指した。
「ここ、か…ええと、鍵空いてる?エリア開放されてるな」
おじゃまします。エリア開放でおじゃましますとは何だろう。
入って小さな靴箱が。いつのかも分からない運動靴。
傘立ての横にはランドセル。5年2組。
何なんだこの違和感は。拭えない違和感は何なのか。
よく見ると、奥のリビングに続くまでに服が落ちている。
最初は靴下。次に上着。脱ぎ捨ててあるのか?
アイドルは躊躇わず進んでいく。
エリアCまで来た。リビングである。
テーブルの上には大五郎。彼女は何をしているのか。
ちなみにカメラは回っています。料理酒だよ。
そこにはスカートが捨てられていた。
冷蔵庫探索。アサヒスーパードライ。おやつカルパス。
炙り銀杏。スルメ。何なんだこれは。
おっさんではないか。
地図を見るとエリアDが寝室になっているらしい。
うん?寝室の襖に何か…ウサミミではないか。
おい。やめろ。カメラ止めろ。まずい。
俺が先に見てきます。そう伝え、中を覗いた。
俺はここを覗いたことを一生後悔するだろう。アイドルとは偶像。
脱ぎ捨てられた靴下、ゴミ袋、発泡酒の缶…そして下着。
真ん中に敷かれた布団に包まっている安部菜々。
『…どうして、ここに居るんですか…』
起きていた。起きていた?俺たちは息を殺して入ってきたはずだ。
まずい。地図を見る。現在地はエリアE?そんなものはない。
表示はいつまでも変わらない。E。何なんだこれは。
玄関のドアは固く閉じられていた。開かない。なら、窓だ。
窓も開かない。外の景色?なんだ、これ。入ってきた時と異なる。
外を見ると明らかに宇宙と思しき中に地球がそこにあった。
嘘だ。E。ああ、分かった。その時、彼女は言った。
『Endless』
…もう、ここからは、出られない。
おわり
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