過去ログ - モバP「お題でSS」
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7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/09(日) 14:48:00.47 ID:CY9RELSC0

【口調に悩む沙紀と比奈】

今日は彼女たちの口調についての話をしたい。

荒木比奈と吉岡沙紀はとある話題について盛り上がっていた。
それはもちろん、女性では誰しも気にすることだ。
さて、今からぜひお聞きいただこう。

『アタシ、もうちょっと痩せた方がいいんスかねえ』

「いえいえ、そんなことないっすよ!」

お分かりいただけるだろうが、体重の話である。
彼女らは異なる身長に同一の体重である。
気にするのも無理は無いだろう。

『157cmしかないのに、沙紀ちゃんと同じっスよ』

「アタシっすか?ううん、ちょっと痩せすぎなのかも」

お気づきだろうが、彼女らの話し方には似た特徴がある。
そして、彼女らもそれに気付いたのか、話題を変え始める。
個性、という点に着目した俺は、耳を立てることにしていた。

「そういえば、アタシらの話し方って似てるっすよね」

『ああ、そっスね。変えたほうがいいっスか、プロデューサー』

唐突に話を振られて驚いた俺は、何も答えられなかった。
ううん。別に彼女らの個性であるし、特に言うべきことではない。
その考えに至った俺は、いや。とあくまでソフトにその問いを否定した。

『でも、被ったら沙紀ちゃんに申し訳ないっスよ』

「こちらこそ、比奈さんに悪いですよ」

何か思うことはないんすか、と両人に問われて、考えた。
思うこと。思うこと。俺は彼女らの意見を尊重したいと思っている。
だが、それゆえ彼女らは頑なに、考えを改めようとしていなかった。つまり―――。

「ああ、思うところ、か。あった」

固唾を飲んで見守るふたり。思うところならある。
彼女らの似た話し方。さらに、その彼女らの頑なさには舌を巻く。
だからこそ、俺は彼女らの目をみて…そっと、諭すように。ゆっくりと、告げた。

「聞き分けがないな、とか」

『………』

『………』

「………」



『上手くないっスよ!』

                    おわり




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